開演30分前、銀座の博品館劇場のロビーは、オールドファンでごった返していた。物販コーナーはサイン付きCDアルバムが販売され、即完売の人気ぶり。ロビー中央には、「花の中三トリオ」の森昌子(59)から贈られた花が飾られている。
「芸能界を去ったあとも森と山口百恵(59)とは電話や手紙で連絡を取り合う仲。ステージ上のふるまいなど、森に相談することもあったそうです」(音楽ライター)
コンサートは午後7時にスタート。緑のワンピースにオレンジ色のハイヒールを履いた桜田が登場すると、客席から「おかえりー」と声が飛び交う。数年前に二重顎のふっくら姿が話題になったが、顎のラインはシャープになっていた。そればかりか、全身がシェイプされており、この日に備えて仕上げてきたようだ。
ステージ上は、桜田が一人ポツンと立っているだけで、セットもなく簡素なもの。新曲「ありがとうのかわりに~プロローグ~」を歌い始めると、高音で伸びやかな歌声は当時のままだ。
「5年ほど前からボイストレーニングやカラオケで練習を続けているそうです」(前出・音楽ライター)
手拍子に乗ってノリノリで客席を魅了していたのもつかの間、3番を歌っていた時に歌詞を忘れてパニック状態に。一度は立て直そうとしたが、歌詞が出てこなくて半べそ状態。その後も2番と4番の歌詞を取り違えたまま歌い、グダグダのまま1曲目が終わった。
「やっちまったー」
自分で作詞した曲なのに、歌詞が出てこなくて悔しかったのか、本音がポロリ。それでも続いて往年のヒット曲「サンタモニカの風」と「リップスティック」はみごとに歌い上げた。
曲の合間には夫婦生活で夫に怒られたエピソードを紹介して笑いを誘う場面も。トーク中はアクションが大きく、前かがみになると胸元が大きく開いたワンピースから熟女谷間がチラリ。しゃがんだ時にはミニスカ太ももまで見せつけるサービス精神ぶりを発揮する。
そして、約2時間の公演中、ボルテージが最高潮に達したのは、最後の曲「ありがとうのかわりに~エピローグ~」を歌い終えたあとだった。桜田は拍手喝采の客席をまっすぐ見つめ、
「また会いましょう!」
と、臆面もなく「芸能界復帰宣言」をしたのだ。
ベテラン芸能記者はこう語る。
「これまで3児の子育てに追われていたが、いちばん下の娘も今年で成人を迎えた。今後は『桜田淳子』の総決算として音楽活動や女優業も視野に入れ、古希まで走り続けるそうです」
早くもイベント出演のオファーが複数届いているというが、今回、桜田が統一教会についてひと言も発することはなかった。ファンの前で歌うより先に、信仰を明らかにし、「広告塔」としての役割を担った説明を果たすべきだろう。