20年8カ月ぶりに桜田淳子(55)が、一夜限りのステージに立った。全7曲の熱唱に、詰めかけたファンは感涙したのだが‥‥。報道陣シャットアウトのライブ会場の模様を、こっそり実況する!
「おかえりなさい! 淳子ちゃーん」
桜田がステージに登場すると、約380人の観客は興奮しながら口々に歓迎の声を上げた。オレンジのスカートにグレーのシャツ、太めのベルトでしぼったウエストは年齢による“劣化”をまったく感じさせなかった。何より愛くるしい笑顔を見せた桜田はアイドル時代のままであった──。
11月26日、桜田のデビュー40周年記念の一夜限定ライブが行われた。92年に統一教会の信者であることを明らかにし、合同結婚式への参加を表明した桜田。以来、事実上、芸能界引退の状態にあった。
復活を待ち望んだファンの歓声をかき消すように、桜田は「LADY」「追いかけてヨコハマ」「しあわせ芝居」の3曲をメドレーで熱唱したのだ。
「皆様、お久しぶりです。桜田淳子です」
歌い終えた桜田のMCが始まると、会場のボルテージは再燃していく。
まず、桜田はかつての所属事務所サンミュージックの会長であった故・相澤秀禎氏の通夜に参列したことを振り返る。「お世話になった人のお葬式に行かないなんて人間失格だ」という夫のひと言が、参列をためらう桜田の背中を押したことを涙ながらに語った。
その後、ファン代表としてタレントの太川陽介(54)が舞台上に現れ、トークショーを展開。懐かしい写真パネルを前に「百恵と昌子にも会いたい」と語り、ファンたちを感涙させた。さらには、娘たちとカラオケに行ったエピソードも披露。娘に「お母さんの声はうるさい」と怒られたと話し、会場を沸かせたのだ。
そして、ミュージカル「アニーよ銃を取れ」の劇中歌4曲をメドレーで歌い、ライブは終了。最後に桜田は観客ひとりひとりと握手を交わし、こう呼びかけた。
「私たちも50歳を過ぎてしまった。残りの人生ぐらいは謳歌したいですね」
潜入したライターのシン上田氏はこう話す。
「桜田が死生観を語り始めたと思い、続けて信仰について触れると思ったのですが、ここでおしまいでした。引退状態になる原因だったわけですから、何かしら説明があってしかるべきだと感じましたね」
いや、桜田は「説明」どころか、「謝罪」が必要なのだ。紀藤正樹弁護士が統一教会の霊感商法の実態についてこう話す。
「現在も統一教会は『これを買えば運勢がよくなる』などと、言葉巧みに高額な商品を売りつけています。桜田さんが信仰を明かしてから昨年までの被害相談の金額は740億円以上です。桜田さんが広告塔として果たした役割は非常に重い。教祖の文鮮明の死去後、統一教会の資金繰りが厳しくなっており、今回のライブも再び広告塔となるべく、教会からの指示だったのではないでしょうか」
実際、今回のイベントでは多額の金が動いた。オークションサイトでは、イベントのチケットが20万円の高値をつけ、チケット購入の抽選券欲しさにベストアルバムを10枚(約6万円)も買ったファンもいるなど、十分に広告塔の役割を果たせることを見せつけた。熱唱した全7曲が霊感“唱”法だったなんてことにならなければいいのだが‥‥。
本格復帰は「白紙状態」とした桜田だが、その前にすべきことは故・相澤会長が望んだ「脱会」であることは間違いないだろう。