芸能

ビートたけしの名言集「歌手・ビートたけしが精力的だった時代」

 先日、20代後輩の芸人と雑談をしていた際、わたくしが「殿は昔、フルアルバムをリリースして、コンサートツアーで全国を回るほど、精力的に歌手活動をしていた時期があった」という過去を教えると、その芸人はかなり驚いたリアクションをとったのです。この時〈そうか、今の若い子は歌手のビートたけしをあまり知らないのだな〉と、やや驚いたのと同時に〈殿の曲を知らないなんて、なんてもったいない!〉と強く思ったのです。これまで殿がリリースしたアルバムは7枚(ベスト盤などを含めるともっと多いはず)。その楽曲の多さは“芸人の気まぐれでやっていた歌手活動”ではけしてなく、本気度がはっきりと見てとれます。

 で、“たけし原理主義”であるわたくしの立場をいったんフラットにして、公平な耳で聴いてみても、掛値なしに名曲が多いのです。さらに、殿に楽曲を提供した作曲家や作詞家、ミュージシャンたちの豪華さは大変驚くばかりです。ざっと記します。阿久悠、小林亜星、桑田佳祐、大澤誉志幸、泉谷しげる、坂本龍一、谷川俊太郎、玉置浩二、糸井重里、加瀬邦彦、等。ちなみに、殿はそんな楽曲提供者を振り返る時、必ず、

「たぶん阿久悠さんの書いた歌で、いちばん売れなかった歌って、俺の歌じゃねーか?」

 と、自虐的に吐露します。

 とにかく、ひと頃の殿は、定期的にレコーディングをしてアルバムを製作し、軍団を引き連れて、地方の2000~3000人クラスのホールを回っていたのです。もちろん、どこのホールも超満員で、その客層は、圧倒的に若い女の子たちが多かったそうです。

 そんな“歌手・ビートたけし”と以前、レコーディングをともにした、あるミュージシャンの方から聞いた話をひとつ──。

「たけしさんとレコーディングした時、カランコロンって、なんか変な音が入るんだよね。楽器とかアンプとかチェックしてもどこも異常はないのに、いざ録音すると、やっぱりカランコロンって、変な音が入るんだよ。おかしいな~と思って、よく見てみたら、たけしさんが飴舐めて歌ってたんだよね」

 なんとも、殿らしいエピソードです。

 で、殿の最近の印象的な歌手活動といえば、去年の大晦日の紅白です。名曲「浅草キッド」を歌いあげた殿への反響は大きく、ネットでの“速報的大反響”を楽屋に戻った殿に伝えると、

「なんだ? 『たけしの歌に感動した』って? 盛り上がってんのか!?」

 と、本番を終えホッとした顔で返したのでした。

 で、大成功となった本番の5日程前、NHKホールにてリハーサルを行った殿に、その夜、会うと、

「ちょっとさっきNHKホール行って、リハで歌ってきたんだけどよ、あそこはいいな! すごい歌いやすいんだよ。あれだな。NHKホールは高級カラオケボックスだな!」

 と、あの場で歌った者にしかわからない、殿独自の感想を漏らしていました。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「反大谷翔平」の上原浩治に「直球質問」をぶつけたら返ってきた「絵文字」が…
2
「メジャー挑戦」佐々木朗希はドジャース入りでなく千賀滉大や前田健太のように孤軍奮闘せよ
3
東京ドームで観客半分の「プレミア12」にサッカーファンが「シラケる」挑発バトル
4
「誰や、引き留めたんは!」中日・星野仙一監督が選手に怒鳴った「犯人探し事件」をOBが暴露
5
なんだこりゃ!岡田将生の電撃結婚を「完全スルー」した「めざましテレビ」の担当は元カノ鈴木唯アナ