「暗殺が成功してよかった」
こんな発言をしたのは、作家で法政大学国際文化学部教授の島田雅彦氏だ。4月14日配信のネット番組で、昨年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件を念頭に置いたものである。翌15日には岸田文雄首相の襲撃事件が発生したことで、法政大学には抗議の電話が相次いだ。島田氏と対談し、発言を聞きながら咎めることもしなかったジャーナリストの青木理氏と、政治学者で京都精華大学准教授の白井聡氏にも、批判の矛先は向いている。
発言は島田氏と白井氏がレギュラー出演するネット番組「エアレボリューション」で飛び出した。青木氏はゲストだった。
「こんなことを言うと顰蹙を買うかも知れないけど、今までなんら一矢報いることができなかったリベラル市民として言えばね、あの、まぁせめて、暗殺が成功してよかったなと。(青木氏、苦笑い)それしか言えない」
島田氏は「軽率な発言により、大きな誤解を招いたことを反省し、今後、慎重な発言に努めることを改めてお伝えします」と釈明するも、ツイッター上で猛批判する識者が続々。
「本来、リベラルは暴力による言論封殺に抗議する側。彼はリベラルの衣で仮装した別の思想家。目的のためなら暴力も許容する立場」(中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也氏)
「目的が正しければ手段は正当化されるが左翼の論理。国民は彼らの正体をもっと知るべきだろう」(作家の門田隆将氏)
法政大学に対し、島田氏の処分を求める声も出ているが、大学の広報担当者は夕刊フジの取材に「個人の発言であり、個々の教員がメディア、マスコミなどで行う発言については大学としては関知しない」との見解を示した。
東京大学先端科学技術研究センターの池内恵教授は、次のようにツイートしている。
「島田雅彦教授には発言の自由があり、大学が教員の発言をもって処分することには強く反対します。法政大学国際文化学部は、それまでに書いた作品から十分に予想される軽率さと浅薄さにもかかわらずこの作家を教員として採用したことで、長期間にわたり二流文芸学部として世間の評価を受ける責任を負う」
作家の竹田恒泰氏は、さらに手厳しい。
「(島田氏の)発言と、それを聞いて笑う青木理氏の態度は、耳と目に焼き付けておきます。テロを肯定し、犠牲者を冒涜する、人として愚劣の極み。同じ日本人として、人として、哺乳類として、恥じる」
青木氏が出演する日曜朝の番組「サンデーモーニング」のTBSがどういう対応をするか、注目される。