政治

「街頭遊説テロは野放し状態」岸田総理襲撃事件で露呈した「要人警護」の寒すぎる限界

 4月15日、岸田文雄総理が遊説先の和歌山県雑賀崎漁港で襲撃された。昨年7月に遊説中の安倍晋三元総理が手製銃で銃撃、殺害された事件からわずか9カ月、今度は現職の総理が至近距離から手製パイプ爆弾によって狙われるという衝撃的な事件だった。

 その場で現行犯逮捕された木村隆二容疑者は警察の取調べに「弁護士が来るまで話さない」と黙秘を続けているようだが、目下のところ、事件への組織的な関与を疑わせる背後関係は確認されていない模様だ。犯行は木村容疑者による「ローン・オフェンダー(単独の攻撃者)型」のテロだった可能性が高いとみられている。

 事件の発生を受け、谷公一国家公安委員長は、防災担当相として訪れていた高知県黒潮町でマスコミの取材に「事実を明らかにして、警備の充実強化に努めたい」と語り、警察庁も現場の警備にあたる警察官の配置を増やすこと、不審者への職務質問や所持品検査を積極的に行うことなどを、全国の警備担当責任者らに緊急指示した。

 だが、街頭遊説テロの阻止へ向けた、警察関係者の見方は悲観的だ。要人警護をはじめとする警備の実態に詳しい警察庁OBも、次のように指摘する。

「今回、犯人の手製パイプ爆弾は岸田総理の足元に投げ込まれている。幸い爆発までにはタイムラグがあり、総理は逃げ出すことができたが、仮に殺傷能力の高いパイプ爆弾が足元に投げ込まれると同時に爆発していたとすれば、安倍元総理襲撃事件と同じ惨劇が繰り返されることになっただろう。今回は、たまたま運がよかっただけ」

 街頭演説は屋外で行われるため、屋内での演説会のように、入場者全員の所持品検査を実施することはできない。また、不審者への職務質問や所持品検査を強化しても、全てのテロを阻止できるわけではない。

「事実上、街頭遊説テロは野放し状態にあると言っても過言ではなく、同様の事件はこれからも、繰り返し起こると考えておかねばならない」(前出・警察庁OB)

 当然ながら、街頭遊説テロの危険が及ぶのは、現職の総理や総理経験者に限った話ではない。要人警護も含めた、警備体制の抜本的な見直しが求められるのだ。

カテゴリー: 政治   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
2
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
3
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論
4
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
5
世間はもう「松本人志」を求めていないのに…浜田雅功「まっちゃん」連呼のうっとうしさ