同様に球界を騒動の渦に巻き込んだのは、ソフトバンクにFA移籍した山川穂高(32)の人的補償問題だ。
「1月11日の『日刊スポーツ』で、西武が和田毅(42)を指名する方針を固めたことが報じられた。タネ明かしをすると、ホークスにはニッカンOBの球団幹部や、球団広報まがいの記者がいるため、内部情報が筒抜けなんです。人的補償の候補には、三森大貴(24)と柳町達(26)もいたといいます。西武は和田と三森の二択に絞ったといいますが、この段階の情報がホークスからリークされたのでしょう」(スポーツ紙デスク)
ベテラン左腕放出の一報に鷹ファンの悲鳴が飛び交った。と同時に、和田本人も心中穏やかではなかったという。球界関係者が語る。
「もともとプロテクトから外されることに関しては了承していたようですが、さすがにベテランの自分が候補に挙がるとは思っていなかったようです。同学年にあたる西武の平石洋介ヘッド(43)や赤田将吾外野守備走塁コーチ(43)に自主トレ先の長崎から確認の電話を入れたぐらいですからね」
かねてより、山川の獲得には球団内外で慎重論が囁かれていたが、
「不倫トラブルの渦中にもかかわらず、一昨年のオフに『ウチが獲るよ』と山川と口約束した三笠杉彦GM(49)がそれを反故にできなかった。くしくも『山川は獲らない方がいい』と球団内で主張していた急先鋒が和田だったのは皮肉なことです」(球界関係者)
ところが、11日夕方に人的補償として発表されたのはリリーバーの甲斐野央(27)だった。
「実は、和田の獲得に西武が尻込みしたんです。世間的なハレーション以上にネックになったのは和田の高額な年俸。推定2億円とされていますが、出来高を含めると倍以上の金額が設定されていたといいます。しかも、引退後の『指導者手形』を含む細かいサイドレターまで契約に含まれていた。候補者の契約内容を球団間で引き継ぐ時点で判明したようです。そこから両球団の話し合いの中で、本来はプロテクトされていたとされる甲斐野に白羽の矢が立った」(スポーツ紙デスク)
歓迎ムードからは程遠い山川。どのようなオフを過ごしているのだろうか。
「茨城県で自主トレをしています。ただし、公開はなしで完全に雲隠れを決め込んでいる。1月下旬に筑後で予定している自主トレの公開も流れるかもしれません。西武退団時も簡単な文面だけを公表して本人自身の取材対応はありませんでした。ホークスでも四面楚歌の状態でキャンプインすることになる。思えば、西武のロッカールームもろくに整頓せずに出ていった。山川の代わりにロッカーを片づけた球団職員も『余計な仕事を残しやがって‥‥』と怒っていました」(球界関係者)
去り際までも〝立つ鳥跡を濁した〟ようだ。