巨人のセレモニーから約7時間後、ソフトバンクも宮崎入りした。1軍メンバー勢ぞろいのステージ上で、身を縮こまらせていたのが山川穂高(32)。チームの顔としてステージ先頭にいた和田毅(42)の背中を見つめるように、2列後ろで借りてきた猫のようだった。球界OBが振り返る。
「山川の宮崎入りは昨秋のフェニックスリーグ以来です。前回は、西武に在籍していたのでファンから色紙に求められるサインに『西武』の文字を添えてくれていたのですが、後半になると名前のみになっていた。フェニックスリーグの途中から、西武を出ていく意向を固めていたのかもしれませんね。あと、宿舎のある南郷から宮崎市内の歓楽街までわざわざ〝遠征〟して宮崎の飲み歩きを満喫していました」
四面楚歌のキャンプインになるかと思いきや、2日目に即席サイン会を実施。温かいファンに囲まれて、よもやハメを外すことがないよう祈るばかりだ。
捲土重来の1年にしたいのは、今季からチームの指揮をとる小久保裕紀監督(52)とて同じこと。しかし、オフからフロントとの溝が浮き彫りのようだ。
「開幕ローテーションが内定していた和田がFA人的補償のプロテクトリストから外されていたり、ファーム時代に目をかけていた増田珠(24)を戦力外通告されたりと、かみ合っていません。秋季キャンプでも徹底的に打撃や守備を鍛えようとしていた小久保監督の意向に反して、球団側自身が選手のデータ収集をメインとしたメニューを考案して実施させている。選手たちも『秋のキャンプなのに、こんなに楽な練習でいいの?』と困惑していたようです」(スポーツ紙デスク)
フロント主導のチーム運営に小久保監督が眠れぬ夜を過ごすことになりそうだが、反対に小久保監督に頭を悩まされるケースもある。球界OBが続ける。
「名球会は小久保監督に辟易しています。というのも、金にがめつい。昨年12月に名球会主催のチャリティーゴルフを4年ぶりに開催したのですが、小久保監督に声をかけるや『ギャラはもっともらえるのか?』とマネジメント会社経由でギャラの交渉をしてきたそうです。しかもマネジメント会社2社に競わせて、ギャラの釣り上げまでしてくる始末。チャリティーとはいえ、宿泊代と渡航費以外にも数十万円のギャラが出ますが、後にも先にもギャラの交渉をしてきたのは小久保監督だけ。もちろん、増額分は断られたようです」
あの脱税事件発覚から27年。もうこのへんで、金銭への執着心をチームの勝利に昇華させてほしい。