「名選手の陰に良妻アリ」と言われるのが勝負の世界であるプロ野球。意外にも、ハタ目には“悪妻”と評される女性ほどあげまん度が高いのも特徴だ。
「プロ野球選手・監督の妻」部門からは、メジャーリーグ現役最年長野手・イチローの妻である福島弓子(52)と、ヤクルト、楽天などで監督を務めた野村克也氏の妻・故野村沙知代さんが堂堂の三役入りを果たした。
イチローと弓子夫人が入籍したのは99年。当時TBSのアナウンサーだった弓子夫人は入籍を機に退社。以降、陰で夫を支え続けた。
「最大の仕事は日々の体調管理。1日3時間かけて食材を買い出し、試合の終了時間を予測して帰宅後の絶妙のタイミングで料理を並べるほど徹底しているそうです」(スポーツ紙記者)
内助の功は体調管理だけでなく、ビジネス面でも発揮されている。09年には、ワシントン州シアトル市内に美容エステ店をオープン。現地のセレブから好評を得て、市内有数の人気店に成長した。前出・スポーツ紙記者が続ける。
「13年にイチローがニューヨーク・ヤンキースへ移籍したのを機に日本人美容師に譲渡したそうですが、弓子夫人はエステ店経営以外に不動産投資も手がけています。シアトルやロサンゼルスといった西海岸だけでなく全米に多数の不動産を所有。地元紙で『年商100億円』と報じられる実業家の顔も持っています」
メジャーに詳しいスポーツライターも次のように補足する。
「イチロークラスのメジャーリーガーは、高額年俸の一部を球団に貸し付けて利息を得るという蓄財法を行っている。最高時のイチローの年俸は約18億円ですから、利息だけでも相当な額になる。イチローは、これらの資産運用を弓子夫人に全て任せて野球に専念している。だからこそ、年俸8000万円に下がっても現役にこだわることができるのでしょう」
一方の沙知代さんは昨年末に死去したが、あらためて、その内助の功ぶりが評価されている。ジャーナリストが解説する。
「夫の克也氏は、80年に現役を引退したあと、9年間、評論家活動をしていましたが、本心では一日も早くユニホームを着たいと思っていた。90年にようやくヤクルト監督に就任するわけですが、この時、当時のオーナーに夫を強烈に売り込んだのが、沙知代夫人だったそうです」
ヤクルト監督としてリーグ優勝4回、日本一3回と成功を収め、名将と称された克也氏だが、99年からの阪神監督時代は3年連続最下位。失意のまま辞任し、社会人野球の監督に就任した。セ・リーグ関係者が明かす。
「この頃、沙知代さんは、元巨人監督の藤田元司氏に『夫を巨人の監督にしてくれないか』という手紙を書いたそうです。当時の藤田さんは、巨人の監督人事に少なからず影響力を持っていると見られていましたからね。結局実現はしなかったのですが、夫の意をくんでなりふりかまわず売り込むあたりは、いかにも沙知代さんらしい。毀誉褒貶はありましたが、あげまんと呼ぶにふさわしい人でしたね」
その他、番付上位に顔を出したのは、広島・緒方孝市監督夫人の中條(緒方)かな子(45)と、ヤクルト、メジャーリーグ・ドジャースなどで活躍した石井一久夫人の木佐彩子(46)。
中條は90年代に人気を博した元グラドルで、96年に当時広島の現役選手だった緒方監督と結婚。3人の子を持つ母でありながら、現在も変わらぬ美貌を武器に、地元テレビ番組などに出演。チームを盛り上げ続けている。
「就任1年目の15年は期待されながら4位に終わりました。緒方監督も相当悩んでよく眠れなかったらしく、球場入りが午前10時頃と異常に早かった。この時間なら報道陣もほとんどいないので、顔を合わせずに済むという思惑もあったのでしょう。かな子夫人は、監督が昼食を一人でとれるよう気遣って、毎日弁当を作って持たせていたそうです」(球団関係者)
元フジテレビアナウンサーだった木佐も、献身的に夫を支えてきた。
「堪能な英語を武器に、石井のメジャー在籍時には代理人とも密にコミュニケーションを取っていました。アメリカは州ごとに税法が異なるので、よく把握しておかないと納税の際にかなりの損をすることになる。木佐さんはそういった点までしっかりフォローしていたそうです」(前出・スポーツ紙記者)
まもなく開幕するプロ野球。はたして今季、「あげまん」番付に新顔は現れるのだろうか。