長澤まさみ主演のフジテレビ月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」が4月9日にスタートする。
昨今の低視聴率続きで存続が危ぶまれているフジの月9ドラマだが、かつては月曜の夜は「OLたちが一斉に帰路を急ぐ」とまで言われたものだった。
その原動力となったのは、放映開始30年を迎えた「月9」のドラマ枠にほかならない。社会現象にもなった名作たちのヒロインを、名セリフとともに回顧する。
「やまとなでしこ」(2000年/松嶋菜々子)
「残念ながら私はあなたといると幸せなんです」
日本のコメディドラマとして史上2番目の高視聴率を誇り、フジのドラマとして初めて韓国にリメイク権を売るほどのヒット作となった。松嶋菜々子は、玉の輿を狙って合コンを重ねる客室乗務員の役だが、コメディエンヌとしての才能が一気に開花。OLたちの間で「超絶かわいい」と話題になった。本作の共演を機に押尾学と矢田亜希子が結婚(後に離婚)したが、押尾の不祥事以降、CSや地方局の再放送は見送られたままになっている。
「じゃじゃ馬ならし」(1993年/観月ありさ)
「あんたに恋してるみたい」
92年にTBSでオンエアされた「高校教師」は、女子高生・二宮繭の役にオファーされた観月ありさだが、過激な描写に怖れをなしてか降板。その翌年の本作で、月9史上、最年少となる16歳7カ月のヒロインとなった。本作も20%以上の平均視聴率をマークしているが、今春まで「26年連続連ドラ主演」というとてつもない記録を打ち立てるとは予測できなかったはず。「じゃじゃ馬」は「無事これ名馬」に成長したのだ。
「できちゃった結婚」(01年/広末涼子)
「男の子、無事産まれました」
月9の歴史の中で、もっともオンエアが危ぶまれた作品である。芸能記者は「この時期、広末涼子の数々の奇行が報じられましたから」と言う。千葉のロケ現場までタクシーで無賃乗車したとか、撮影現場への遅刻が日常茶飯事とも伝えられた。それでも、何とか最終回までこぎつけるのだが、最後のセリフが「男の子、無事産まれました」である。これが“予言書”となり、2度の結婚をする広末は、いずれも「でき婚」で男の子を出産する。
「トップキャスター」(06年/天海祐希)
「チャンスはピンチの姿をしてやって来るの」
宝塚のトップスターだった天海祐希が月9の初主演を飾り、持ち前の颯爽とした雰囲気そのままにトップキャスターとして活躍する熱血ドラマ。天海が演じたキャスター・椿木春香が放つ強いメッセージの数々──「なりたいと思ってもなれないよ。超えようと思わなきゃ」や「チャンスから逃げたらダメ、ピンチから逃げたらもっとダメ」など、名言の宝庫。ただし、第3話は細木数子をヤユしたとして、永久欠番に追い込まれている。
「のだめカンタービレ」(06年/上野樹里)
「負けるためにコンクールに出場する人間はいない」
実に奇妙な運命のドラマである。もともとはTBSでドラマ化が予定されたが、主演に岡田准一を起用したことで、原作の大幅な改編や主題歌をV6になどとゴリ押しされ、原作者がこれを拒否。穴が開いたTBSは急ごしらえで「花より男子」を放映したが、これが続編や映画化も作られる大ヒット。そしてようやくフジでドラマ化された「のだめ」は、原作者の意向に沿って上野樹里&玉木宏のコンビ、さらに主題歌もクラシックを使った。