さらに続けて、そんな危ない薬の減らし方、やめ方について説明してもらおう。
「現代医学が手に入れた魔法の薬が抗生物質。これは細菌の細胞膜合成やたんぱく質合成を阻害するなどして、人間の体に悪さをする細菌を殺したり、発育を阻害したりするのに非常に有効です。ただ、乱用による耐性菌の問題も大きい。ですから、抗生物質を頻繁に飲むのは避けたほうが無難。ここぞという時だけに飲むようにしてください」
また、コレステロール薬も飲む必要はほとんどないという。02年にはある製薬会社が自社製品を使ってコレステロールを下げる実験を実施。これは医師6500人が診療の場で6年にわたり追跡調査をするという大規模なものだったが、
「結果、死亡率が最も低かったのはコレステロール値240~259のグループ。比べて、投薬によってコレステロール値が下がった160未満のグループの死亡率は3倍以上でした。つまり、薬でコレステロールを下げることはたいへん危険だということ。先にも述べたように、コレステロールは高くても大丈夫。減薬・断薬しても禁断症状はないので、やめても差し支えないと考えてください」
また、骨粗しょう症の薬は、骨を丈夫にするはずなのになんと太い大腿骨が折れる副作用がある。免疫力低下によりガンや感染症発症の可能性も出てくる。
「骨がもろくなると骨折して寝たきりになりますよ、だから骨を丈夫にする薬を飲みましょう、というのが医者の決めゼリフですが、そんな言葉に惑わされてはいけません。骨粗しょう症の薬は逆に骨がもろくなる可能性があるんです。急にやめてもほとんど問題ないので、不調を感じたら思い切って断薬してみてください」
骨を丈夫にするには、日光浴と骨に一定の負荷をかける適度な運動が一番。あとは食事からビタミンD、カルシウム、ケイ素などのミネラルを豊富に取ればいいそうだ。
さらに、このテの薬の中にはドラッグストアでも購入できるものもあるが、どうなのだろうか。
「よく、成分が少ない市販薬なら大丈夫、と誤解されている方もいますが、これらの薬も思わぬ副作用が出たり、症状を悪化させる場合もあるので、長期間の使用は避けるべき。あくまでも緊急対応として考え、短期服用が原則です」
大した症状も出ていないのに予防を兼ねて飲む、あるいは症状が治まっているのに飲み続けるという人がいるが、
「当然のことですが、薬を飲むことが習慣になっている人は薬が効かなくなります。すると強い薬に頼り、さらに副作用に悩まされる。医療薬も市販薬も同じだということです」