テリー 今、35歳ですよね。政治家や落語家だったら若手中の若手だし、人生100年としたら、まだ65年も残っていますよ。今後はどうするんですか?
山中 まだ具体的には、何も決めていないんですよ。引退してから、こういった取材も含めて、いろいろと忙しくさせていただいているので、もう少し落ち着いたらちゃんと考えようかなと思っています。
テリー 僕、名案があるんですよ。もう一回リングに上がりましょうよ。
山中 ええっ!?(笑)。でも、本当にそういうボクサー、多いんですよね。ボクシングほど再起する選手が多いスポーツってないと思います。
テリー そうですよ、亀田(興毅)さんも5月に復帰するって言っていましたから。発表前に「僕、今度復帰します」ってメールが来たんですよ。この対談に来てもらった時、あれほど「もう二度とやりません。僕は殴られるのは嫌だ」って言ってたクセに(笑)。
山中 ハハハ、でも気持ちはわからなくないです。ボクシングって、ほんとに不思議なスポーツなんですよね、なぜか中毒性があるんですよ。
テリー でも、試合前は怖いでしょう?
山中 相手に対してというより、自分自身への怖さがありますね。「ちゃんと自分は動けるのか」とか。
テリー それって、実際にリングに上がってからじゃないと、わからないものなんですか?
山中 ええ、いくら練習を積んで調整しても、1ラウンドのゴングが鳴ってからじゃないとわからない部分があります。「あれ、今日はちょっと動きが硬いな」とか。だいたい1ラウンド目は硬いんですけれど、経験を積むと、冷静でいられるようになるんです。
テリー 相手との相性も、試合に大きく影響するんじゃないですか。ネリ選手なんかは、まさにそうだったんじゃないかと思うんですが。
山中 そう言ってくれる方は多いんですけど、相性も含めて、結局は「強いか、弱いか」というところに落ち着くんですよ。それはもうただひと言、僕が弱かったというだけですね。
テリー じゃあ、次はこっちも負けずに体重オーバーしていきましょうよ。
山中 アハハハハ!
テリー あと、役者なんかはどうですか? ガッツ石松さんや赤井英和さん、たこ八郎さんみたいに、ボクサーの方って、あとでいい役者になっているじゃないですか。山中さんも、ちょっとリリー・フランキーさんみたいな雰囲気もありますものね。周りから言われませんか?
山中 ハハハ、確かに何度か言われたことがありますね。でも僕、声が全然通らないので有名なんですよ。
テリー いいんですよ、そのぐらいの味があっても。高倉健さんだって、決して声がいい役者じゃなかったですからね。あとで評価が上がってくると、「あれがいいんだよ」って言われるようになるんです。
山中 なるほど。そういうことも含めて、ゆっくり考えたいと思います。
テリー せっかくの機会ですから、いろいろ挑戦するといいですよ。で、来年にはボクシング復帰と。
山中 そうですね。その時には「テリーさんにあおられたんです」って言いますからね(笑)。
テリー いいですよ。会見する時は必ず教えてくださいよ。僕、横に座りますから(笑)。
山中 ハハハ、その際にはぜひお願いします。
◆テリーからひと言
俺もひどい男だよ、勝手に復帰の段取りをつけちゃった(笑)。でも、そう思っているファンも絶対多いはずだから。次は復帰会見で会いましょう!