センスがあるかは何とも言えないが、「第2の人生」への決断を世間は全面支持しているようだ。
元WBC世界バンタム級王者であるプロボクサー・山中慎介が都内で引退会見を行ったのは3月26日。日本歴代2位の12回という世界戦防衛を達成するという、ボクシング界に偉大なる功績を残した山中だが、第2の人生についてスポーツ紙のインタビューで明かし、注目を集めている。
山中が引退後に目指すのはスポーツキャスターや解説者というある意味、王道な道。ただ一つその道を歩んだアスリートたちと異なるのは、いきなりスポーツキャスターになるのではなく、まずアナウンサー予備校に入校してアナウンス技術を学ぶということだ。
「山中は自分の現役時代の試合を中継し続けてきた日本テレビのアナウンススクールに入校するということですが、このスクールは現役やOB&OGのアナウンサーが厳しい指導をすることで知られています。あまり滑舌がいいほうにも思えませんから、山中はそういったことも自覚したうえで入校を決断したのでしょうが、相当しごかれることでしょうね」(エンタメ誌ライター)
それでも、世間の声を見てみると「全力で応援します」「自身の人気に頼らず、一から勉強するその姿勢、尊敬します」「他のポッと出の元アスリートのスポーツキャスターも見習ってほしいな」「きっと笑顔が素敵ないいスポーツキャスターになりそう」といった、山中のスポーツキャスター転身に好意的な声ばかりが目立っている。
「山中の知名度を考えれば、そのまますんなりキャスターになることはたやすいはず。ですが、中途半端なスキルでキャスターをやることは許せないとばかりに一からアナウンススクールに通うと決断したその男らしさに世間は魅力を感じたようです。最近はアスリートに頼らず、芸人やタレントなども情報番組の司会を務めることが増えてきていましたから、その中でこの選択は結果がどうあれ、世間の人たちは応援したくなりますよね」(前出・エンタメ誌ライター)
仮に多少滑舌が悪くても山中の屈託のない笑顔があれば、ファンのみならず多くの人々に好かれることも間違いないだろう。
(田村元希)