女優の朝丘雪路さんが4月27日に亡くなっていたことがわかり、関係者の朝丘さんを悼む声が次々報じられている。このニュースの中で、違和感を覚えた部分を見つけた人が少なからず現れ、ネット上でザワついているという。
「朝丘さんの死因がアルツハイマー型認知症と発表されたんです。夫の津川雅彦さんが、医師の診断書にそうあったと話し、この数年、自宅介護をしていたことを明かしました。しかし、死因が認知症と報じられることは珍しく、それで話題になっているのです。例えば心不全というのはまさに心臓が止まったことですから、直接的な死因を書く日本ではよく使われますね。しかし、欧米ではどんな病気が原因で亡くなったかを書くので、アルツハイマー型認知症が死因の1つにあげられることも珍しくありません。米国では14年に死因の6番目にあげられるほどポピュラーな死因。欧米では診断時に余命宣告がなされるなど、致死性の病と認識されているのです。日本では、認知症の側面だけが強調されがちですが、病状の進行に伴う摂食や飲み込みの障害が死亡につながっていることは、以前から指摘されており、日本でも実態通りの死因として取り扱い、治療法の確立やケア体制の整備のためにも検証データを集められるよう、疾患への啓発を行っていこうという動きがあるのです」(週刊誌記者)
朝丘さんのご冥福をお祈りするとともに、日本における認知症の今後の展開に注目したい。
(伊藤その子)