たび重なる迷惑行為に運営サイドも堪忍袋の緒が切れたようだ。
乃木坂46運営委員会では6月10日、公式サイトに「ファンの皆さまへのお願い」を掲載。一部のファンによるメンバーのプライバシーを著しく侵害する行為に対して、「迷惑行為はただちに警察に通報」との強い調子で警告を発した。同委員会によると「メンバーに対する車両・徒歩等による追走、メンバーの居住エリアでのストーカー行為」が確認されているという。こういった迷惑行為はメジャーから地下まで、あらゆるレベルのアイドルで見受けられるというのだ。アイドル誌のライターがささやく。
「乃木坂46のような人気グループでは『メンバーの自宅を確認!』などと、さも武勇伝のように周りに言いふらす不届き者も少なくありません。一方で地下アイドルでは運営サイドのマンパワーが足りないために送り迎えができず、メンバーを守ることが難しいという現実もあります。また意外にも、都心よりも郊外に住んでいるアイドルのほうが後をつけられやすい傾向があります。遠くから通っていることから『どこまで帰るんだろう?』と、まるでゲーム感覚で後をつけるというのです」
いずれにせよストーカー行為は厳に慎むべきであり、犯罪にもなりうる卑劣な行為だ。ただアイドルの“追っかけ”に関しては、昭和のアイドルではテレビ局を出たところからファンとのカーチェイスが始まったというのもよく聞く話。当時のファンのほうが荒っぽかったようにも思えるが、ストーカー行為は現在のほうが増えているという。その原因についてアイドル誌のライターが続ける。
「最大の違いはネットの存在です。アイドルのツイートに写っている街並みや標識、看板などからその場所を探り当てる『特定厨』にとって、ネットは強力なツール。単に後をつける場合でも路線網や時刻表を確認することで、その後の移動経路を予想できます。また昭和の時代ではファン同士の情報交換は口コミに限られており、結束の強さから情報を外部に漏らすことはなかったのですが、現在ではネットを通じて容易に拡散してしまうのが現実。ネット上で目立つことが生き甲斐とばかり、アイドルの個人情報を垂れ流す者も少なくありません。ストーカー自体も危険な行為ですが、個人情報の拡散も大きな問題となっているのです」
ネットのおかげでアイドルはより身近な存在になった。そのネットが当のアイドルを苦しめているのだろうか。問題は何よりアイドルに対して迷惑行為を働く連中そのものにあることは間違いないだろう。
(金田麻有)