また中国人による「ブランド物件」への侵蝕は、都内だけにとどまらなかった。すでに北海道には中国系企業の資金が大量に投下され、森林資源だけで東京ドーム515個分が買収されている。中国在住のジャーナリストはこう話す。
「08年に北海道を舞台にした中国映画『狙った恋の落とし方。』がブームになってから中国人観光客が激増しました。旅行だけでは満足できず、スキーリゾート地のニセコがある倶知安町の不動産を片っ端から購入。ニセコの公示地価は約30%の上昇を続けています」
このまま買い占められていけば、いずれ北海道は中国の「省」の一つになるという笑えない冗談も聞かれるほどなのだ。
それを食い止める手段もないまま、今や公示地価の上昇率でトップランクの沖縄でも中国の買収工作に揺れていた。
「昨年10月、香港のツアー会社が約10億円で那覇市内の土地4カ所を買収し、ホテルを建設する計画を明らかにしました。いつの間にか那覇で中国人観光客が目立つようになり、最近では不正な国際免許証でレンタカーを借りる中国人に頭を悩ませています」(地元記者)
自然豊かな北と南の土地を「赤いマネー」で染め上げただけでは飽き足らず、日本の水源をビジネスに利用する中国系企業が大儲けしているケースも。
「山が多い県の静岡、山形、秋田、新潟、富山、長野、岐阜の土地を購入して飲料水などを製造する工場を作りました。中国人は自国の水質を信用していないので、日本の水が飛ぶように売れるんです。水源の土地を買い漁っていることが非難されると、中国人がボスであることをカムフラージュするため、日本人社員に会社のトップを譲ったことにして、再び新たな土地に手を出して事業を拡大させています」(中国在住ジャーナリスト)
今や日本各地は中国人投資家の無法地帯と化し、新潟の温泉地の老舗旅館は買収され、京都の木造家屋「京町屋」は民泊目的で次々と買い占められるなど、歯止めの利かない状況になっている。そしてその極め付きは、日本の「象徴」である富士山が奪われようとしているのだ。
「中国人は富士山が大好きで、キレイに見える場所に別荘を持つのがステータス。富士山が見える周辺のホテルも、相次いで中国資本に買収されてしまいました」(中国在住ジャーナリスト)
モラルのカケラもない中国人投資家どもを、締め出す方法はないものか。そろそろ真剣に考えるべき時期が来ているようだ。