いまや年末の恒例行事でもある「ユーキャン新語・流行語大賞」だが、2015年のノミネートされた言葉から大賞に選ばれたのは「爆買い」と「トリプルスリー」の2つ。この選考が物議を醸しているのだ」
「『爆買い』には納得しました。いまや“大人買い”の代わりに使われるほど、日常生活の間に浸透してますからね。でも2つ選ばれたということは甲乙つけ難かったという評価のなのかもしれませんが、『トリプルスリー』がそれだとしたら、頭の中がクエスチョンマークだらけになりそうです」(女性誌編集者)
打率3割以上、本塁打30本以上、盗塁30個以上、プロ野球においてその数字を全てクリアした選手に対する称賛ワードが「トリプルスリー」なのだが、前出・女性誌編集者によると「99%の女性が聞いたこともない言葉だと答えるはず」とのこと。
実際に大賞決定後には「これ、体のサイズのこと?」「新しいクジかと思った」「友達が誰も知らなかったんですけど」「女は黙ってろってこと?」など、女性を中心に批判的なコメントが相次いだ。
「もしも誌面で取り上げるなら、女性読者にはトリプルスリーの言葉の説明からしなければなりません。表彰されていた山田哲人選手(ヤクルト)や柳田悠岐選手(ソフトバンク)のことも知らない女性のほうが圧倒的に多いです。候補に挙げるなとは言いませんが、日本人女性の大半が知らない言葉を大賞だといわれると、女性蔑視されているような気持ちにすらなります。スポーツからどうしても選びたいなら、今年は『五郎丸』以外になかったと思いますよ」(前出・女性誌編集者)
「トリプルスリー」の大賞受賞は野球をわかる人たちにとってもかなり意外だったようで、「野球で“ト”から始まるものといえば賭博だろ!」「ゴリ押しっぽくて胡散臭いね」「野球オンリー世代が審査員じゃダメ」と、やはり非難が殺到している。
審査員には女性蔑視のつもりはなかっただろうが、女性の大半が口にしなこともない言葉を選んでしまう状況は末期症状とすらいえる。賛否は常でも、もはや国民レベルで話題となる賞だけに、来年こそは10年後に思い出しても、皆が「あったね!」と懐かしい気分に浸れるような“正しい”選定をお願いしたいものだ。
(金子良太)