一方、金の臭いがしないと、中国人投資家にそっぽを向かれている都内の不人気エリアがあるのをご存じだろうか。
「洗練された大人の町として、30、40代を中心に知られる恵比寿、代官山、中目黒はまったく興味を持たれていません。中国人にしたら知名度がほとんどない町なのに、マンション価格はやたら高いので、投資の対象外になっています。高級住宅街がある品川や世田谷も中国人には全然なじみがないので、問い合わせはほとんどありません」(仲介業者スタッフ)
日本人の住みたい町のアンケートを取れば1位、2位に顔を出す吉祥寺(武蔵野市)にいたっては、「市」の時点で東京だと思われていないという。
「それでも考え方を変えれば、中国人オーナーや中国人観光客がほとんど寄りつかない町なので、よけいなトラブルを避けたい日本人にとっては、ある意味で安心して暮らせる町とも言えるでしょう」(仲介業者スタッフ)
さらにここにきて、中国人にとって人気エリアだった地域が、一気に暴落しているケースもあった。中でも、異変が起きているのが東京五輪効果で「爆買い」ターゲットになっていた豊洲の湾岸エリアだ。タワーマンションが販売された当初は、中国人の超富裕層が競い合うように転売目的で部屋を買い漁っていたのだが‥‥。
「中国人投資家は日本のニュースをよくチェックしています。昨年頃から豊洲のマンションについて『バブル崩壊』や『爆売り』という言葉がメディアで聞かれるようになった。東京五輪まで価格上昇は続かないと判断して、一気に『売り』の流れになったのです。今では豊洲の物件を欲しがっている中国人は、ほとんど聞かなくなりました」(仲介業者スタッフ)
今や豊洲エリアでは、中国人投資家の動向は相場を揺るがしかねないインパクトがあるとか。金儲けしか頭にない中国人の気まぐれで、湾岸エリアの相場が暴落する可能性に見舞われているとは、恐ろしい状況だと言わざるをえないだろう。