日本とコロンビア、その明暗はくっきりと分かれた。西野朗監督率いるサッカー日本代表が6月19日、ロシアW杯グループステージ初戦のコロンビア戦を2-1でくだし、歓喜の声が沸き立っている。日本は、試合開始早々香川真司がシュートを放つと、コロンビアMFカルロス・サンチェスがこれを手で防ぎレッドカードの一発退場。その後10人での戦いを余儀なくされたコロンビアは攻め手のオプションを欠き、終始日本のペースとなり、後半28分の大迫勇也のヘディングシュートで試合は決したのだった。
南米の強豪相手からよもやの大金星を奪い、ツイッターのトレンドワードランキングでも上位が同試合に関連するワードで埋め尽くされるなどまさに日本列島全体が勝利の美酒に酔いしれたものの、懸念されるのは勝敗のターニングポイントを図らずも、もたらす格好となってしまったコロンビア退場者カルロス・サンチェスに迫る“身の危険”だろう。
「試合の翌日の6月20日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)で、キャスターの小倉智昭が『コロンビアの人たちはあれだけ(会場に)来てたけど、帰りは足が重かっただろうなぁ。サンチェスとか(母国に)帰って大丈夫かな。コロンビアは政情不安で、何かコトが起こらなきゃいいけど』などと案じていたように、サッカーへの熱が尋常ではない南米列強国はミスを犯した選手や、戦犯に対する扱いも常軌を逸したものがあります。1994年のアメリカW杯では、オウンゴールしてしまったアンドレス・エスコバル(当時27歳)が帰国後サポーターから銃撃され、帰らぬ人になった凄惨な事件が実際起きています。今回の敗戦で、サンチェス選手に全責任があるわけではないですが、過激なサポーターがどう考えるはわかりません。無事を祈るばかりです」(スポーツライター)
いつの時代もスポーツの世界には勝者と敗者が生まれ、喜びと悲しみが錯綜する。もちろんW杯グループステージは3試合あり、まだ初戦を終えたばかり。日本は手綱を締め、一方のコロンビアは希望を持ち続ける必要があるだろう。
(ジェイコヴ)