羽生結弦の国民栄誉賞授与式は7月2日、首相官邸で行われる。郷里・宮城県仙台市の市役所本庁の壁面にはそれを祝福する大型看板も設置され、まさに祝福ムード一色。しかし、羽生は“複雑な思い”も抱いているようだ。
「『ツール・ド・東北2018』は9月に開催されます。東日本大震災の復興支援イベントの一環ですが、羽生はそれに応援メッセージも送っています」(地元紙記者)
羽生は被災地復興への思いが人一倍強く、「被災地の皆さんのためなら」とチャリティーイベントにも積極的に関わってきた。今回も応援メッセージを送るのを快諾したが、2大会連続金メダルの羽生にも苦手はある。自転車に乗れないのだ。これはトークショーで明らかになった話だが、司会者が「自転車に乗らないの、乗れないの。どっち?」と聞き直し、「乗れない」と吐露。金メダリストにも苦手スポーツはあったのだ。
「自転車に乗れないのを暴露したのは平昌五輪後。自転車に乗れない羽生が『出身地の仙台に新しいコースができたので楽しみ』と言っても、説得力がありません。羽生ファンの間では自転車が苦手なのは、完全に浸透しています」(前出・地元紙記者)
フィギュアスケートの関係者によれば、「それはそれ。でも、復興イベントなので」と開き直って羽生は、メッセージを送ったという。震災のためなら苦手も「なかった」ことにする──そう開き直っていたとしたら、羽生の新しい一面も見えてきた感もあるが、ファンはそういうところも含めて好きなのだろう。
(スポーツライター・飯山満)