中尾彬・池波志乃夫妻の共著「終活夫婦」が熟年世代の「お手本」本として、話題だ。芸能界のおしどり夫婦としておなじみの2人。1978年に結婚するも、今から12年前に池波、翌年に中尾と相次いで大病を患うという“夫婦の危機”を乗り越え、今年、ようやく結婚40周年を迎えた。
子供がいないため、墓をどうするかという問題から発展、不動産の売却から遺言状の作成、趣味の品の処分まで、人生の最期を迎えるにあたってするべきことをまとめあげた。それによると、中尾がデザインした墓はすでに完成。千葉のアトリエと沖縄のマンションは処分した。中尾が撮りまくった写真、料理や絵画、映画などの専門書、衣装など様々なゆかりの品も処分したという。
「中尾のトレードマークの“ねじねじ”ことスカーフは400本のうち200本を池波がバッサリ処分。中尾の写真1万点のうち残したのは、3、40点だけ。池波の愛用した衣装は二束三文にしかならなかったという。何百万円とした毛皮も2000~5000円だったそうだ」(芸能ライター)
処分で何が一番ショックだったかというと、何かあった時のために金になるよう高価な物を残しても、時が経てば、何の価値もなくなるということだったという。
「今は、多少古くても値段がつくのは超一流ブランド品と純金製品くらい。豪華な着物も二束三文ですよ。昨年、高橋英樹が“断捨離”した際、33トン分の家財道具を処分。ところが、購入時には総額1億円は下らなかった4トントラック1台分の品々の引き取り額はたった10万円だったそうです。ブランド食器でも箱なしや使用済みは値がつかないし、袖を通してない洋服でも、保存状態が悪ければ、カビやシミが出て価値はなくなる。値段がついただけでも御の字だったんじゃないですか」(女性誌記者)
もう一つ重要なのは、処分には体力と気力がいるということ。だから体が元気な時にやることが肝心だとか。高橋は最初に呼んだ買い取り業者が自慢の品の大部分を買わずに残したことに激高。100万円以上を支払って処分したという。
「終活」に短気は損気。2大スターの奮闘例は、信頼できる業者を見極め、長期戦で取り掛かることなど、終活なんて、まだまだ先、と思っている人たちにとっても、大いに参考になりそうだ。
(塩勢知央)