危険タックル問題で揺れる日本大学に一筋の光が見えてきた。来年1月の箱根駅伝に復帰することが決定したのだ。
「日大は第三者委員会にも『指示はあった』と指摘され、ますます窮地に陥ってしまいました。アメフト部の新しい監督選出にしても、関東アメフト学生連盟から『選考基準等を明確にせよ』と苦言を呈され、八方塞がりです」(スポーツ紙記者)
駅伝復帰は、唯一の明るいニュースとも言えそうだ。そもそも、日大は17年大会に出ていない。予選会は10月に行われる。なのに、先駆けて出場が決定したのは、“特別ルール”が適用されたからである。来年の箱根駅伝は95回の記念大会となる。そのため、関東学生陸上競技連盟は「各種目の1位8点、2位7点…8位1点として得点を競い、そのトップを自動的に出場させる」と決めていた。日大はこれまでもスポーツの有望高校生を推薦入学で集めてきた。彼らの実力を結集させたのである。
「日大がインカレ枠で出場すると決まった時、批判的な見方をする関係者も多かったです。でも、ルールだし、アメフトと陸上は関係ないので…」(体協詰め記者)
陸上部員たちもアメフト部のことまでは考えていなかっただろう。しかし、世論から反発されている経営陣にすれば、陸上部の奮闘に救われた思いもしたはず。高校生アスリートの日大離れが止まらないと聞く。スポーツの日大、来年の駅伝がその最後の雄姿となるかもしれず、選手たちにはとりわけ、大きな期待が寄せられる形になるだろう。
(スポーツライター・飯山満)