日大アメフト部のOB会が臨時の会合を招集したのは去る6月16日。会合後、OBたちは「秋のリーグ戦復帰に向け、それを支援していく委員会を設置する」とし、学生や父母会とも話し合っていくという。「新しい監督、コーチを提案する準備も進めている」としていたが、もうひと波瀾起こりそうだ。
「別のOBに聞くと、『今回の招集は内田(正人前監督)さんに可愛がられている人も発起人になっているから自分は会合を欠席した』と言うんです」(体協詰め記者)
OB会長は一連の騒動後、辞意を表明。有志一同に今後を一任するとしたが、そのグループに内田氏に近い者が入ったため、欠席を決め込んだOBも少なくなかったというのだ。
「新しい監督、コーチを決める権限は誰にあるのかと言えば、部活動は保健体育審議会の管轄ですから、事務局長にあります。事務局長は、内田氏でした。内田氏が常務理事を辞任した後もしばらくその職に居座ったのは、自身の影響をアメフト部に残そうとしたのではないか」(関係者)
内田氏が事務局長職を退いたのは、緊急会合の5日前。辞意表明したOB会長が内田氏と大学同期だったと聞くと、アメフト部は「脱・内田」に向けて動き始めたように見えるが、実際は違った。今回の緊急会合の“発起人”は、その辞意表明した同級生会長になっていたというのである。
いずれにせよ日大アメフト部が、秋のリーグ戦に復帰するのなら、7月末までに新監督名を届け出なければならない。日大の第三者委員会は7月下旬に調査結果を報告するとしており、時間がない。このままでは史上初、前年覇者不在のリーグ戦となりそうな雲行きなのである。
(スポーツライター・飯山満)