吉岡里帆主演のドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」が7月6日、番組の公式ブログを開設。12日には2つ目のエントリーを投稿し、吉岡が演じる新人ケースワーカーの同期生を紹介した。そこでは川栄李奈や山田裕貴、小園凌央、水上京香らがリクルートスーツに身を包む画像が掲載されている。その公式ブログに対してテレビ誌のライターこう首をひねる。
「最近のテレビ番組では公式ツイッターや公式インスタグラムを開設するもの。SNSには拡散力があるし、視聴者の興味を惹けば一気にバズる可能性がありますからね。それに対して本作ではなぜかブログを選んだわけですが、案の定、視聴者にはまったくリーチできていません。登録読者数は12日夜の時点でわずか53人に過ぎず、12日の投稿には“いいね”が20件ほど。このSNS全盛時代になぜあえてブログを選んだのか、さっぱり理解できませんね」
それではツイッターなどのSNSとブログではいったい何が違うのか。IT事情に詳しいライターが解説する。
「ツイッターやインスタグラムでは“共有”(シェア)が重要な機能となっており、ファンは興味のある投稿をすぐにシェアして拡散できます。それに対してブログは基本的に、開設者から読者への一方通行。多くのファンを持つ著名人ならファンへのメッセージを届ける手段として有効活用できますが、番組公式ブログなら公式サイトとの差別化が難しく、視聴者も読者登録しようと思いづらいでしょう。『健康で文化的~』ブログは現時点で更新頻度も少ないですし、これなら公式サイトに『番組からのメッセージ』を掲載すれば十分だったのではないでしょうか」
ブログ機能を提供しているアメーバブログ(アメブロ)側でも、読者数がまさか二桁に留まるとは想定外だったかもしれない。このように告知効果の薄いブログをなぜ開設したのか。その裏には制作側の過剰なネット対策があったのではと、IT系のライターが続ける。
「ツイッターなどのSNSは拡散力にすぐれる反面、何かあると炎上に発展しかねません。また画像も簡単にシェアできるので、吉岡や川栄の画像を他の目的に悪用されるという懸念もあるでしょう。それに対しブログでは、初期画面ではコメント欄は表示されませんし、アメブロの仕様では画像のコピーも難しい。つまり制作側は何より炎上のリスクを最小限に抑えられるほうを選んだように思えますね」
確かに吉岡は何かと炎上しやすい女優と言えるが、それは話題性の裏返しでもある。番組の情報を発信するウェブでこんな消極策を取っているようでは、番組の内容も抑えたものになるのでは。今からそんな懸念を抱く視聴者もいそうだ。
(金田麻有/写真:パシャ)