まさか、そんな日が来るとは夢にも思わなかっただろう。スタッフも出演者も心血をそそいで作り上げた映像が、思いがけないそれぞれの理由で「放送禁止」に認定される──。そんな闇の歴史を、映画やドラマだけでなく、アニメもバラエティも含めて大公開!
日本が世界に誇る「特撮」というジャンルには、信じられない封印の扉が待っていた!
「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」(1979年、チャイヨー・フィルム)
現在、中国の映像制作会社と著作権侵害で係争中の円谷プロだが、その原点との呼ぶべき汚点が本作である。タイの「チャイヨー・フィルム」と合作映画を作ったが、あまりにもタイ寄りのトラウマな内容に終始。さらに当時の経営難から、円谷作品の海外著作権を無期限で譲渡してしまい、両者の裁判が長期化する事態に陥った。
「ウルトラマンコスモス」(01~02年、TBS系)
主演の杉浦太陽が、番組のオンエア中に「過去の暴行疑惑」を報じられた。そのため、収録していた残りのエピソードは、主役が映らないという不思議な形で総集編として2週で消化。ところが、暴行されたとされる少年が証言を取り消したため、杉浦はふたたびカムバック。無事に全話オンエアされたものの、妙な後味の悪さは残った。
「大群獣ネズラ」(64年、大映)
東宝の「ゴジラ」に負けじと、大映が怪獣映画第1作に選んだのは、ネズミが集団で人間を襲う「大群獣ネズラ」だった。東宝との差別化のため、着ぐるみを使わずに本物のネズミを大量に集めてリアルな撮影──のはずが、集められた無数のネズミにノミやダニが大量発生。保健所の警告もあって、撮影自体が中止に追い込まれた。