2007年、第89回夏の選手権から昨年の第99回大会まで11年連続で福島県代表として出場中の聖光学院。この11年連続出場という成績は戦前に和歌山中(現・桐蔭)が打ち立てた14年連続に次ぐ史上2位の連続出場記録で、もちろん戦後では最長となっている。
逆にこの11年間、福島県予選決勝で最も聖光学院に負けている不運な学校が何日大東北で記録は4回。07年と13年~15年にかけての3年連続だ。負け方も13年は4‐2から追いつかれて延長10回サヨナラ負け。14年は6‐2と4点のリードから9回裏に追いつかれて延長11回サヨナラ負け。15年は1‐0から3‐2の逆転負けと、どれも残酷な幕切れ。が、この日大東北、これ以外にも過去に夏の福島県予選決勝戦で悲惨な負け方をしている。1986年第68回大会。この年の日大東北は春夏通じて初の甲子園出場をかけて決勝戦まで勝ち進み、学法石川と最後の決戦に。試合は2‐2の同点で延長戦に突入し、10回表に日大東北が4点を勝ち越し。誰もが日大東北の甲子園初出場を確信したのだが、その裏に学法石川打線に5本の長短打を浴びて一挙5失点。逆転サヨナラ負けを食らったのである。
さらに99年第81回大会の予選決勝。13年前と同じく学法石川と対戦した日大東北は9回表を終わり、8‐6とリードしていたが、9回裏に一挙3点を奪われ、8‐9で逆転サヨナラ負けとなったのだ。
日大東北の悲劇はこれだけではない。01年第83回大会。この時は日大東北が春夏通じて初の甲子園を目指す聖光学院と対戦。試合は日大東北が3‐2とリードするも、9回裏に3‐3に追いつかれて延長戦へ。10回表に日大東北打線が爆発して4点を勝ち越し。甲子園出場を大きく引き寄せたはずだったが、ここから15年前の悪夢の再現となってしまう。その裏、無死からヒットと四球で2人の走者を許し、1死後に落球で満塁に。そこから連打で2点を返され、最後は走者一掃のライトオーバーの逆転サヨナラヒットで、ジ・エンド。まさに悲運のチームだった。そんな不運をかみ締めつつ、日大東北は87年第69回大会の初出場以降、夏の甲子園に7回出場を果たしている。記念すべき今年の100回大会で、日大東北はその聖光学院と7月17日に対戦し、11対1で今回は完敗。来年、101回大会での8回目の出場を目指して、ふたたび新たなスタートを切ることとなった。
(高校野球評論家・上杉純也)