ジャイアンツ球場の選手ロッカーから阿部慎之助や菅野智之ら主力選手の道具など約110点を盗み出し、売却して約100万円を手にしていた“球界のルパン”こと、窃盗容疑で逮捕された元巨人の柿沢貴裕容疑者。
そんな柿沢容疑者の巨人移籍前の楽天時代を知る、楽天の元監督で野球評論家のデーブ大久保氏が7月13日放送のCS生番組「プロ野球ニュース」(フジテレビ ONE)で、柿沢容疑者について語っている。
大久保氏は2012年シーズン終業後に楽天の2軍監督に就任。1軍監督になるまでの約2年間、柿沢容疑者に直接指導する関係にあったが、「楽天の時もあったんです」と、一部メディアが報じていたように柿沢容疑者が楽天時代にも窃盗をしていたことを明かしている。
大久保氏によれば、楽天の選手たちからも盗みの相談を受けていたといい、みずから柿沢容疑者に直接窃盗をしたのかと訊ねたこともあったが、柿沢容疑者は窃盗を認めなかったという。
そんなこともあって、柿沢容疑者はチームメイトからも嫌われていたというが、大久保氏は自身が坊主頭にすることでもう1度柿沢をチームの輪に入れて欲しいと選手たちにお願いしたこともあったとのこと。しかし、柿沢のために頭を丸めた立場でありながらも、巨人に移籍後も柿沢は更生せずに問題を起こしていたこともあり、大久保氏は「結局、何もしてあげられなかったし、変えられなかった。辛いですね」と、残念そうな顔を見せていた。
「恩師がそこまでしても全く変化がなかったということは致命的ですね。そんな、柿沢の更生を願っていた大久保氏でさえも球団社長に防犯カメラを設置するようにお願いしていたそうですから、100%信じきれないところも柿沢が純粋に更生することは難しいと思っていたのでしょう。かつては、高校3年の選抜大会の初戦で宮城・石巻工業と対戦した際、東日本大震災の苦難にも負けずに奮闘する石巻工業ナインのプレーに心を打たれ、プロ1年目の初任給50万円を石巻工業に寄付したと報じられたこともあって、好青年と野球ファンには認知されていました。それだけに柿沢容疑者の裏の顔には衝撃を受けた人が多かったようです」(エンタメ誌ライター)
楽天時代に球団側がペナルティーを与えるなど、然るべき対応をとっていれば、被害拡大は防げたかもしれないが、大久保氏が柿沢容疑者の更生を信じていたから、かなわなかったのかもしれない。石巻工業ナインに心を打たれたかつてのように、いまだ自身のことで責任を感じている恩師の姿を見て、柿沢容疑者にはどうにか何かを感じてほしいところだ。
(田中康)