スポーツ

「99年夏の甲子園」埼玉大会で聖望学園を初優勝に導いた阪神の“精神的支柱”!

 昨年、日本プロ野球史上50人目となる2000本安打を達成した鳥谷敬(阪神)。チームの生え抜きとして、精神的支柱として、もはや欠かせない存在となっている。

 鳥谷は高校時代から聖望学園(埼玉)が誇る強肩強打のショートとして、スカウトから熱い視線を送られていた。そしてその強肩ぶりは“投”でもチームの貴重な戦力になっていた。広い守備範囲と強肩で内野陣を引っ張るだけでなく、ひとたびマウンドへ上がれば最速143キロの直球で打者を圧倒する“ストッパー”として活躍していたのである。

 鳥谷が最後の夏を迎えた1999年の埼玉県予選はシード校8校がすべてベスト8入りし、強豪校が順当に勝ち上がった大会となった。その中で決勝戦まで勝ち進んだのが、5回戦からの3試合をすべてサヨナラで勝利した聖望学園と、準決勝で9点差をひっくり返しての劇的勝利を収めた埼玉県が誇る強豪・浦和学院。勝利への執念を見せたこの両校の戦いとなった。特に聖望学園は創部18年目にして春夏通じて初の甲子園出場がかかっているだけに、絶対に負けられない戦いであった。

 試合は初回から動いた。1回表、浦和学院は先頭の冨田が初球をセーフティバントし、出塁。続く2番・増田がエンドランを成功させ、無死一、三塁とチャンスを拡大させる。ここで3番・山崎はセカンドゴロ併殺に倒れたものの、この間に三塁ランナーが返って1点を先制したのだった。

 しかし、3回裏に聖望学園が反撃に転じる。1打同点のチャンスで4番・宮崎がライト前へポトリと落ちる同点タイムリー、さらに5番・北堀もライト前へ運び2‐1と逆転に成功する。さらに4回裏には一、三塁のチャンスから3番を打つ鳥谷が左中間を抜く2点タイムリー二塁打、4番の宮崎も左中間へのタイムリーを放ち、5‐1とリードを広げたのである。

 聖望学園は先発した池田に代わって4回から鳥谷をリリーフに送った。その鳥谷が8回まで相手打線に1安打しか許さない好投を見せる。その間に聖望学園はさらに1点を追加。最終回に鳥谷は2安打で1点を許すも、最後の打者をセカンドゴロに打ち取って6‐2で快勝。こうして鳥谷は聖望学園野球部が創部されてから18年目での夏の埼玉県大会初優勝に大きく貢献したのだった。この鳥谷の野球センスは高校時代からスバ抜けており、そしてプロ生活15年目を迎える今季も、なおも衰えることはない。

(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」
5
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」