お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史が「岡村隆史のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)内で、女優・剛力彩芽とスタートトゥデイの前澤友作社長の“SNS浮かれ投稿”に対して苦言を呈したとの報道に不満を述べたのは7月26日。
「昔から聞いてるリスナーの人にはわかると思うねんけど」と切り出した岡村は、自身を「ねたみ、ひがみ、そねみの塊」だと自虐し、あこがれや羨望の想いで2人の熱愛を第三者視点から感想を述べたつもりだったが、「たかだか3分くらいのちょっと話したことでいろんな人に噛み付かれ、『岡村隆史、苦言』になる」とボヤき、続けて「言いたいことも言われへん」「そういう時代になった」などと嘆いた。
「前身番組を含めて24年目に突入した『オールナイトニッポン』ですが、岡村も時代の変化を痛感しているのかもしれません。かつて芸人のラジオ番組といえば、“地上波では絶対に言えない”ような本音のトークが聴けるとして評判でしたが、最近では少しでも尖った発言や他タレントへの非難があればすぐにでも叩かれてしまうのが現状。芸人・松本人志と放送作家・高須光聖による伝説のラジオ番組『放送室』(TOKYO FM)では、松本による島田紳助や明石家さんまへの苦言など、スタジオではカットされてしまうであろう暴言や本音が炸裂していましたからね。岡村も『放送室』を聴いていたファンの1人であり、あこがれの念を抱いていたはずです」(テレビ誌ライター)
2009年に幕を閉じた「放送室」はSNS全盛期と合致することなく無事に最終回を迎え、ネット上で非難のターゲットとされることは少なかった。が、当時にあっても“やりたい放題”というわけでもなかったようだ。
「同じ09年に北野誠の出演するラジオ番組『誠のサイキック青年団』(ABCラジオ)が突然の最終回を迎えており、これは北野による暴言や失言のオンパレードが問題視された結果だとされ、泣きながらの謝罪会見まで開いています。どこか心の中で、“ラジオでなら言いたい放題”といった心理が働くのか、現在でもおぎやはぎなどは地上波でなら発言しないであろう過激な物言いを時に展開しています。これが2人の良さと言われればそうでしょうが、“コンプライアンスのメス”がいつ入れられてもおかしくない状態ですね」(前出・テレビ誌ライター)
確かに、タレントの本音が炸裂する自由な雰囲気こそラジオ番組最大の魅力であると同時に、その自由を支えるだけの責任が生じるのも事実。今回の岡村による剛力&前澤ペアへの発言などは些細な事象に過ぎないが、とはいえ、このご時世、かつての好き放題のしゃべりが展開された“ゆるいラジオ”の居場所は確実になくなりつつあるのかもしれない。
(木村慎吾/写真:パシャ)