マ ねえねえ、その壇蜜って何がすごいの? 話は聞いたことあったけど、まともに見たことはないのよ。
井 要はアキバの反動やろ。エロテレビとかでやらしい格好して、やらしいこと言うてることで、いつの間にか火がついたんやろ。
マ あっ、そういうことなんだね。特別にすごい体してるわけじゃないもんね。
井 アサ芸みたいな雑誌で騒がれてた子が、震災でガタガタになって、何でも自粛だとか言うてた時に目につきまくったんやろ。時代の反動者です。焼け跡のドサクサ文化の象徴。
マ でもさ、もしも戦後のその手の人たちの根性があるなら、応援したくなるわね。顔や体じゃなくて根性で勝負してやるって!
井 俺はこっちのほうがエエね(翔田千里の写真を差して)。エロい体してるわ。
マ あっ、監督が袋とじ開けようとしてるわよ。よっぽど見たいのね(笑)。
井 やっぱり、女は四十路やろ。「四十し頃」やぞ。
マ ドサクサといえば、紅白もすごいわよね。SKEにきゃりーぱみゅぱみゅ?ゴールデンボンバーにトドメで美輪さん? 美輪さんは「ついに紅白に勝ったのね」とは思いましたけど、これ、一つの番組に収めちゃいけないわよね(笑)。
井 これぞ芸能闇鍋メニュー。聴きたくもない曲のオンパレード。「ヨイトマケの唄」は歌ってほしいけどな、美輪さん。若者全員が聴かなあかんわ。
マ そうよ。でも、これで「ベスト2012」なんてCD出されてもどうしていいかわかんないわよね(笑)。
井 田舎のじいちゃんばあちゃんはキョトンやろな。
マ まあね。孫が帰って交流しながら観るのにはいいのかもしれないけど、孫も隣にいない老夫婦だったとしたら、これはとっても厳しいイベントよね。
井 寒さが一段と身に染みるな‥‥。
マ 世代的にワタシたちとは紅白に対する思い入れが違うじゃない。そんな人たちが今年の紅白を見て、ありがたいものだと思ってしまっていたとしたら、ワタシが悪いわけじゃないけど、本当に申し訳ない。
井 ガハハハハ!
マ きゃりーぱみゅぱみゅちゃんが何をしてもいいんですけど、別に紅白に出なくてもいいじゃない。
井 紅白もついにゼロ金利時代になったいうことや。
マ 監督、いいこと言うわ。
井 値打ちまったくないやろ。昔は紅白出たら、それだけで歌手として食っていけたんだから。
マ 紅白っていつから威厳がなくなっちゃったのかしらね。ワタシね、毎年録画はしてるの。それでバーッと早送りして、見たいのだけ見てたの。でもね、2011年はついに早送りしたまま終わったわ。
井 まさに紅白の終わりやな。
マ (新聞を見ながら)え──ッ! 浜崎あゆみってもう14回目なの? わかった。14年前から紅白の崩壊が始まったのね(笑)。
井 経済のゼロ金利突入時と並行してんねん、紅白も。紅白の完全崩壊と安倍政権の誕生。日本の終焉やろ。
マ ホントよね。監督、今回はすごい締めだわ(笑)。