9月25日に日本相撲協会に退職届を提出した元横綱の貴乃花親方。今年初場所後の相撲協会役員改選で理事から落選した貴乃花親方は一門から離脱、無所属で活動を続けてきた。が、7月の理事会で事態は急変。すべての親方は出羽海、時津風、高砂、伊勢ケ浜、二所ノ関の5つの一門に所属しなければならなくなり、「無所属親方」が認められなくなったのだ。
一部報道では、いくつかの一門が貴乃花親方の受け入れを拒否する動きがあり、当の貴乃花親方も会見で、
「親方を廃業せざるを得ない有形無形の要請を受けた。断腸の思いで退職を決意した」
と恨み節を述べたが、貴乃花部屋に近い関係者筋では次のような声も聞こえてくる。
「おそらく、親方が傾倒する宗教団体の祭主から助言があったのではないか。親方の心酔ぶりはすさまじく、大阪場所の開催時期には、わざわざその施設を宿舎にし、弟子の貴源治、貴公俊の四股名もその宗教団体の創始者や、現祭主の名前から取られているほどですからね」
その団体の名は、京都府宇治市に本殿を構える「龍神総宮社」という。かつて整体師による洗脳騒動も話題になった貴乃花親方だが、近年の“ブレーン”がこの団体の祭主だというのだ。宗教ライターが同団体について語る。
「何でも、『宇治とは、宇宙を治めると書き、神の中でも最も位が高く銀河系最高神である龍神様が降臨する場所』と標榜。『ガンが治った』『大津波が庭の直前で止まった』などの奇跡体験を喧伝している新興宗教ですよ」
貴乃花親方にすれば、旧態依然とした協会の体質こそが改革すべき「悪」だったのだろう。が、協会側から見れば、貴乃花親方こそが「宗教かぶれの奇人」だったのかもしれない…。