そんな中、ひそかに浮上していたのが、「新球団」との「接触」だった。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ社の前澤友作社長(42)は9月18日に、1000億円とも言われる費用での月旅行を表明してワイドショーの話題となった渦中の人物。剛力彩芽(26)との金満交際ぶりをSNSで「見せつけ発信」していることも、賛否を呼ぶ騒動になっている。
「その前澤氏が原氏にアプローチしたというのですが‥‥」
こう明かすのは、さるパ・リーグ球団の関係者である。
前澤氏は今年7月17日、自身のツイッターで突如、〈プロ野球球団を持ちたいです。球団経営を通して、ファンや選手や地域の皆様の笑顔を増やしたい〉と表明し、物議を醸しているが、
「可能性はともかくとして、前澤氏は新球団を作る、あるいは既存球団を買収して球界参入した場合、原氏の監督就任を考えています」(パ球団関係者)
「球団保有宣言」を受けて即座に反応したのは、千葉ロッテだった。なにしろ前澤氏は、ロッテの本拠地「ZOZOマリンスタジアム」の命名権を10年総額31億円で取得。球場の人工芝の張り替えなどの改修費として、個人で1億円の寄付も行った。地元・千葉県出身で、スタートトゥデイはZOZOマリンスタジアムと至近距離の位置にある。そうした関係から、前澤氏の宣言が、赤字経営でたびたび身売りが噂されるロッテの買収を念頭に置いたものだとの見方が出るのも当然だった。山室晋也球団社長は「球団売却は絶対にありえない」と即座に全否定し他にも複数ありますね。ロッテの他に、西武やヤクルト、オリックスなど‥‥」(スポーツ紙デスク)
前澤氏の思惑は明らかではないが、先のパ球団関係者によれば、
「前澤氏はすでに原氏に接触し、新球団ができたら監督になってもらえないか、との非公式な打診、相談をしているといいます。『球団を持ちたい』騒動からしばらくたった頃の話だと聞きました」
前澤氏は今シーズン終了後に、球団所有に向けて、球界に提案するためのプランを作成する、としている。先のNPB関係者が言う。
「新球団発足にはオーナー会議で4分の3の承認を得なければなりませんが、買収や球界参入に関わる諸費用の他、本拠地の確保、既存球団への根回しなども必要になる。その際、監督人事にもある程度のメドをつけておくことが望ましい。過去の例からも、それなりの準備がいることがわかります。原氏のように実績、知名度がある人材ならスムーズにいきやすい。そうしたことを踏まえ、具体的なビジョンのある提案書に盛り込むために、原氏に相談を持ちかけているんでしょう。仮にZOZOが参入した場合、『原監督』の可能性は十分ありだと思います。聞くところによると、監督になってほしいうんぬんという以上に、どういう球団を作ったらいいか、球界の仕組みも含め、アドバイザー的に相談しているとも‥‥」
「ただし」と前置きして、このNPB関係者が続ける。
「根回しもなく突然、ツイッターで球団保有について発言し注目を集めるなど、ZOZOの宣伝、知名度アップのために球界が利用されている、本気で参入する気などない、と嫌悪感をあらわにする球界人や球団幹部は多い。資金力はあるかもしれませんが、現時点で参入が歓迎される土壌があるとは言えない状況です」
リベンジの現場復帰へ向けて、「名監督」と各球団の探り合いは、いつ決着を迎えるのか──。