さらにヤクザ業界ならではの、健康にまつわる「あるある」があった。
「『余命半年の親分』っていうのが、いっぱいいるんです。医師に宣告されているんですが、そこには病院側の事情もあって、例えば余命1年と伝えたのに、それより短い期間で亡くなったら、『このヤブ医者!』とどなり込まれることも考えられます。だから病院側が短めに言っているんでしょう。実際、余命宣告より短い期間で亡くなったヤクザは見たことがない。7年生きた組長もいましたから」(上野氏)
医者がおびえる気持ちもわからないではないが、それでも生命力の強さは人並み以上なのかもしれない。その秘訣について、ジャーナリストはこう明かす。
「60歳を過ぎても、とにかく気持ちが若い。男性ファッション誌だけではなく、女性ファッション誌も片っ端から読んでいて、若い衆よりも詳しいんです」
上野氏もこう続ける。
「若い世代が聴いている音楽や海外セレブ事情まで知識の幅が広い。ファッションも海外セレブが着ている服や、有名ブランドとコラボしたシューズを履いています。ただ、それがカッコイイと思っているわけではなく、キャバクラとか飲み屋でチヤホヤされたいだけ。でも、それが健康には最も大事なんです」
美女4000人を抱いたというフレコミの「紀州のドン・ファン」も、70歳を過ぎて肌はツヤツヤ、アソコもビンビンだったと言われた。オンナへの見栄が、気持ちと体を若く保つということか。
高齢化社会が進む日本において、漏れなくヤクザ業界の年齢層も上がっている。
「ある警察関係者が名の知れた親分について、『偉くなると、もう悪いことをしなくていい。黙っていても金が入ってくる。そうすると長生きしたくなって、ますます引退しなくなる』と揶揄していたんです。ヤクザ業界では、トップの新陳代謝がなかなか進まず、高齢の親分衆が今後も幅を利かせていくことになるでしょう」(ジャーナリスト)
戦乱をしぶとく生き抜くヤクザたち。禁断の私生活をのぞけば、健康長寿のヒントが隠されていたのだ。