視聴者のテレビ離れが一段と浮き彫りになった一年だが、やくみつる氏が記憶に残ったいいオンナを語る──。
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今年のドラマ全体の平均視聴率は8年前と比較すると約3%低くなり、バラエティや情報番組よりも下げ幅が大きいという。以前は1時間の連ドラ製作費は1話4000万~5000万円あったが、今は20%以上予算が削られているようだ。ドラマ部門一つとってみても、テレビ業界から景気のいい話は聞こえてこない。そんな状況の中、やく氏が敢闘をたたえたのは、コンドーム写真の流出で日テレを干され、現在フリーとして再ブレイクを遂げた夏目三久(28)だ。
「まあ、今年の中で安定していたのは夏目さんでしょう。ちょっと群を抜いていたなという気がしますね。『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)では、あの2人をあしらって余りある安定感を見せておりますよね。マツコにもまったくたじろぎません。テレビ界の至宝という感じがしてまいりましたね。1回汚れてるだけに、ドンと来いって感じがしてますもん。それでいて下品になっていないところがいいです」
深夜枠で10%弱を叩き出す同番組だが、“ゴムアナ”の名を払拭する日は近い。
グラビア界では今年も、AKB48旋風が吹き荒れた一年だが、30代で奇跡のブレイクを起こし杉本彩から後継者指名されたのが壇蜜(32)である。
「世間では壇さんのエロスばかりがもてはやされておりますけれど、彼女の魅力はあの漆黒の黒髪にあると踏んでおったのです。こないだ番組で隣に座る機会がありまして、一本白髪があったんですよ。たぶん本人も気づいてないんじゃないかなぁ~。これがね、逆にリアルなんですよね。何か場末のオンナ感を漂わせていて、もしあれを抜かないでホントに一本残しているんだったら、なんと巧妙なんだろうと思いました。あんまり表層に出ている白髪ではなくて、内面に潜っている白髪が何かの拍子で出てきたって感じですよね。それを私は、発見しましたよ! この白髪の情報を知っているのは、そうはいないと思います。これは秘中の秘でしょう。もしかして、もう本人が気づいて抜いちゃったかもしれないですけどね。いずれにしろ白髪を見つけたのは、ちょっとうれしかったですよ」
やく氏最後の注目は、お笑い枠だ。推挙するのはオアシズ・光浦靖子の相方である、大久保佳代子(41)だという。「今年のウーマン・オブ・バラエティ」と言いながら、やく氏はこう力説するのだ。
「どちらかと言うと、光浦の付け足しみたいな素人時間が長かったわけですよ。『めちゃイケ』でも最初はちょこっと出ていた程度で、それが今や完全に一本立ちしましたからね。エロキャラで売り出していますが、ふだんは国立千葉大学卒の才媛というのが地だと思うのです。あれはむしろ磨いている芸という気がしますね。で、普通はテレビに出だすとキレイになっていくものなのですが、そうならないままあの顔を視聴者に慣れさせているのがすごい(笑)。私は雑誌の表紙にサインをいただくのをライフワークにしているんですが、まだ大久保さんは女性誌の表紙になっていないですよね。そろそろ腹くくって女性誌はどっかやってくれないかな、と」
やく氏の鋭い視点にうなるばかりだ。