認知症絡みのやりきれない事件は後を絶たない。認知症になった親族を老々介護する中で、手をかけてしまうという、高齢化社会ゆえのケースも最近は目立っている。社会としてそうした事件を防ぐ一番の方法は認知症になる人が減ることだ。厚生労働省の発表によれば、2025年には65歳以上の認知症患者数が約700万人に増加、65歳以上の5人に1人になると見込まれているというが、認知症予防に打ってつけの食品があった。
認知症にならず、「亡くなるまで健康でいられる」ことが可能だと言うのは、管理栄養士の川田孝子さん。こう続ける。
「食べ物で認知症の予防は可能なんです。一番のお勧めはサバの水煮の缶詰です。現在のサバ缶製造は青森県八戸の業者が開発した生詰めによるものが主流ですが、サバをあらかじめ蒸煮することなく、生のまま切り身にして缶に詰める。塩水で煮るだけで、余分なものはいっさい入っていない。DHA(ドコサヘキサエン酸)が非常に豊富。認知症予防に最適な食品です」
ほかにビタミンB群も豊富。免疫力を向上させ、血行を促進する。そのため、血液をサラサラにし、動脈硬化を抑え、高血圧を予防。脳梗塞や心筋梗塞を抑え、集中力を向上させる。サバ水煮の缶詰は、この優れた成分をギュッと缶の中にとじこめているのだ。しかも安価。
「サバ缶の煮汁にも栄養分は豊富。残さず飲むのがいい」(川田さん)
もちろん、高級なサバ缶はエグ味もなく実に美味なる逸品。さっそく今晩の食卓に出してみようではないか。
(谷川渓)