社会

秋津壽男“どっち?”の健康学「視力の衰えが認知症など老化を加速。暗所やタブレットでの読書は要注意」

 秋は読書の季節とも言われます。夜中の平均気温は20度ほどで、集中して読書ができる時期です。

 では、ここで問題です。

「暗いところで本を読むと目に悪い」と言われますが、これは本当でしょうか、単なる俗信でしょうか。

 数年前まで、この説を俗信とする人もいました。「部屋の暗さが視力を低下させる根拠がない」ためです。近年の研究によれば、やはり暗い場所での読書は目によくないことがわかっています。私たち人間の目は、目に入る光を瞳孔で調節しています。光が多く明るい場所では瞳孔が閉じ、光が少ない暗い場所では瞳孔は大きく開き、光を多く取り込もうとします。瞳孔が閉じている時の直径は2ミリですが、最大で8ミリまで開くこともあります。

 この瞳孔は、開く時間が長いほど目は疲れるようにできています。瞳孔が開いている時は体を活性化する交感神経が働いており、体が休まらないのです。明るい場所=瞳孔が閉じた状態での読書は、目の筋肉も楽にピントを合わせますが、暗い場所では瞳孔が開き、ピントを合わせるのに力を必要とします。研究では、暗い部屋に一日中いるだけで、瞳孔が通常より長時間開くため視力は悪くなりやすいと結論づけています。

 暗い場所で近くのものを凝視するほど瞳孔の開閉も頻繁になり、目が酷使されます。さらに、テレビやパソコンなど明るい光を発するものを暗い部屋で見ることも、部屋の明るさと目に飛び込む明るさに大きな差が生じるため、目をたいへん疲れさせる行為です。

 とはいえ、明るい場所ならどこでもいいというわけでもありません。

 例えば、直射日光での読書は、明るすぎるため、白内障のリスクにつながります。これは極端な例としても、日中に自然光の下で読書をするのと、枕元のライトを照らして本を読むのとでは、前者のほうが目に優しく、後者は視力低下につながります。

 今の時代、タブレットで読書をする人が増えていますが、暗い部屋での「タブレット読書」も、視力を低下させます。加えて、本は字を動かさずに目を動かしますが、タブレットの場合にはスクロールで目を動かさずに文字を動かします。そのため、同じ姿勢を保ち続けることで肩凝りになります。さらに、タブレットから発光する光には、目に負担をかけ悪影響を及ぼすブルーライトが多く含まれています。ブルーライトとは、波長が380~500ナノメートルの青色光のことです。人の目で見ることのできる可視光線の中で、最も強いエネルギーを持っています。そして、角膜や水晶体で吸収されず網膜まで到達して目に大きな負担をかけます。さらに、若者にありがちな寝る前のスマホの使用。これは睡眠不足などを引き起こす可能性もあります。厚生労働省のガイドラインでも「1時間のデジタルディスプレイ機器作業を行った際には、15分程度の休憩を取る」ことが推奨されています。

 また、高齢になるほど視力の衰えは加速します。例えば老眼は、目の水晶体の弾力性が弱まってピントの調節がしづらくなる、典型的な老化現象です。そして老眼が進むほど認知症のリスクも増すと言われていますが、これは人間が脳に送る情報のほとんどが視覚を経由するためです。目が悪いほど脳への情報量が少なくなり、それに伴って脳への刺激が減るわけです。

 こう考えると、目の衰えや病気は老化を加速させますので、早めの対策が肝心なのです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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