社会

知られざるニッポン秘薬・伝統薬めぐり(2)都内にはアンテナショップも

 同じ上野には大正8年(1919)創業の建林松鶴堂がある。創業者・建林宰亮(さいすけ)は西洋医学・薬学を学んだのちに東洋医学を究める。

 そして「新漢方」と銘打ち、独自の処方で多くの薬を創出。鼻炎薬「鼻療」、脂肪過多症に効く「扁鵲(へんせき)」をはじめ、165の医薬品を製造している。

「伶鳴(れいめい)」もその一つだ。原因も確たる治療法も確立されていない耳鳴りを、単独で効能・効果に記している。建林佳壯社長が語る。

「耳鳴りの原因はさまざま。腎が衰えても、ストレスでも、あるいは高血圧で発症することもあります。伶鳴は16種類の生薬が配合されており、その相乗作用で効果を発揮します」

 都内でぜひ訪れてほしいのが、再春館製薬高輪事務所内に設置された伝統薬のアンテナショップ「伝統薬房」だ。神経痛などに効く同社の「再春痛散湯エキス顆粒」をはじめ、全国から取り寄せた20数種の秘薬・伝統薬を並べ、その啓蒙と普及に努めている。

 同薬局の担当者が言う。

「地域の人々の健康を考え、作られてきた伝統薬は今日まで脈々と口コミによって安全性と効果が伝えられてきましたが、存続の危機にあるところが多い。もっと伝統薬を知って、健康維持に役立てていただきたい。伝統薬房には薬剤師が常駐しているので、ぜひ伝統薬を見に、触りに、相談しに来てほしいですね」

 さて、神奈川は横須賀市にも漢方の老舗メーカーがあった。昭和6年(1931)創業、大草薬品のロングセラーが「弘真胃腸薬」だ。「あかぶくろ胃腸薬」の愛称で親しまれ、外科手術が発達していない昭和30年代頃までは、胃潰瘍の治療および予防に重宝されていた人気薬。8種類の健胃生薬がバランスよく配合され、胃腸の働きを正常にするのだそうだ。

 同社の大草貴之社長が言う。

「最近、医師から処方される胃腸薬の多くは、胃酸を過度に止めてしまう。短期的には効果を実感できるかもしれませんが、長期的には消化不良や胃内環境の悪化が懸念されます。その点、弘真胃腸薬は安心して服用でき、制酸剤としての炭酸水素ナトリウムを含んでいないので、血圧の高い方にもお勧めできます」

 体に優しい伝統薬は今後も支持され、未来へと受け継がれていく。

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