だが貴乃花本人が何度否定しても今後の去就として最有力なのが、やはり政界入り。貴乃花の支持政党についてもさまざまな噂が流れているが、通信社の政治部記者は「メディアを舞台にした情報戦争の色合いが濃くなってきていますね」と指摘する。
「どの政党にとっても、世間から『改革派の貴乃花に支持されている』と思われるのはイメージ戦略上、非常に都合のいい話です。10月4日に貴乃花はわざわざ報道陣に追いかけられながら議員会館を訪れ、馳浩議員と会っていますが、あれは馳議員側が誘って実現した面会なんですよ。自民から参院選に出馬するのではとの憶測を広げ、他党に先んじて『貴乃花は自民党支持』だと印象づけたい自民党の戦略だと見られています」
さらに永田町関係者は、
「10月上旬から『貴乃花が自由党共同代表の小沢一郎と会食した』『まもなく自由党から出馬を表明する』などと書かれた“怪メール”も出回っている。これは自由党支持者による情報作戦一つと見られています」
しきりに真偽不明の情報が飛び交っているが、いずれも政党側から貴乃花サイドへのアプローチにすぎない。はたして、貴乃花に支持政党はあるのか否かも含め、さまざまな憶測を呼んでいるのが実情なのだ。在阪記者が明かす。
「貴乃花の支持政党に関して最も信憑性が高いと言われているのが、昨年10月の大阪・枚方での巡業時、スポーツ紙記者を相手に語ったという『枚方発言』です。話を聞いた記者が実名を出して回顧しているので、うそはないと思っていい。現在、ほとんど唯一の確定情報です。実は昨年の衆院選の直前、貴乃花は約1時間にわたって『安倍自民党に対抗する野党の奮闘』を熱っぽく話したというんです。さらには『巨大勢力に立ち向かうって、すごいエネルギーがいるんだよね』と相撲協会における自分とも重ね合わせていたとのこと。貴乃花が野党シンパであることをうかがわせる証言なんです」
さらには支持政党の実名も取りざたされている。
「昨年の衆院選で奮闘した『安倍自民党に対抗する野党』といえば、どう考えても立憲民主党しかありません。貴ノ岩暴行事件の際、相撲協会に協力要請を拒否した貴乃花の対応についていち早く擁護の姿勢を示したのが立憲民主党の枝野幸男代表。今後、両者がしっかり話し合う機会があれば、政界転身に現実味が出てくるかもしれません」(在阪記者)
来年夏の参院選、貴乃花が台風の目になるのか!?