政界からのラブコールは、地方自治体からもあとを絶たない。昨年の衆院選で人気失墜の憂き目にあった小池百合子都知事からも熱視線が送られているのだ。小池氏に近い都庁関係者が証言する。
「相撲協会の改革に熱心だった貴乃花に対し、以前から小池都知事は親近感を持っていて、周囲に『何か貴乃花さんと一緒にできないかしら』と漏らしていました。さらに今回、相撲協会を退職したことで、小池都知事は貴乃花に急接近する腹づもりです。というのも『東京都のスポーツ振興事業に貴乃花を起用する』という一大プランで、都民参加のイベントを数回予定しているんです。今のところ、まだ企画の段階で実現するかどうかは未定なのですが、小池都知事は高いモチベーションを見せている。もっとも、スポーツ振興は表向きの話で、ウラに本当の意図があるのでは、と内輪でささやかれています」
今や無敵状態の貴乃花を味方につけたいというのが小池氏の本音らしいが、政治記者があとを引き取る。
「小池都知事自身の再浮上のきっかけを貴乃花に託そうとしている、という話です。彼女は去年の衆院選で国政にチャレンジして返り討ちにあって以来、サッパリ人気がなくなってしまったが、『まだ総理の椅子を諦めていない』というのが周囲の認識。貴乃花を利用して、再び国民の支持を集めようとするのではないか、という話なんです。最近、急ピッチで彼女がリサーチしているのが『スポーツ界改革の可能性』。日大ラグビー部の『悪質タックル問題』で興味を持ったこともあるようですが、周囲では『今後スポーツ界の腐敗を仮想敵にしてバトルを仕掛けるのではないか』と見る向きが多い。相撲界改革の象徴である貴乃花とのタッグを演出することで、再び世間の風を呼び戻そうとするのではと、見られているんです」
そして抜け目のないネット業界からも、貴人気にあやかろうという熱い視線が。IT企業関係者が証言する。
「業界内で注目の的となっているのが、今後、本名の『花田光司公式ブログ』をどの会社が運営することになるか。すでに『貴乃花応援会』のサイト内でブログを掲載していますが、あくまでも応援会のサイトのため、ブログにアクセスが集まっても広告収入を得ることができない。本来、貴乃花ほどの注目度なら、ブログで月収300万円は可能です。会社としても貴乃花に書いてもらえれば大きく儲けられるわけで、現在、いくつかのブログ運営会社が貴乃花サイドに必死に営業をかけていると聞きますね」
まさかの「新・貴乃花部屋」設立の動きも──。IT企業関係者が続ける。
「ブログのほか、多くのネット企業から貴乃花に開設を持ちかけているのが『オンラインサロン』。月額会費数千円の有料ファンクラブのような形で著名人が運営し、サロン内でファンと直接やり取りするというもの。コアな支持者が多い貴乃花の場合だと、サロンの運営だけで月1000万円を超える収入も十分期待できる。サロン名は『新・貴乃花部屋』しかないと、IT界隈ではもっぱらの話題ですね」
また、貴乃花への熱烈オファーは、意外な業界からもあった。
「最近、どこに行っても『貴乃花を使えないか』といった話で持ちきりですよ」
と明かすのは、広告代理店関係者である。
「複数のホールを展開するパチンコチェーンのオーナーは『貴乃花をホールのイメージキャラクターとして起用したい』と大真面目に言っていて、企画が動き出している。また飲食関連企業では『貴乃花』の名前を前面に出してラーメン店を作る『貴乃花ラーメン』の企画が立ち上がりました。あくまでも、貴乃花が経営するわけではなく、かつて存在した『焼肉 小倉優子』のような『名義貸し』のポジションなんですが、ラーメン好きの貴乃花をアドバイザーとして迎えるつもりだそうです」
どうやら、無双状態の貴乃花。選び放題の第二の人生は、バラ色のようにも見えるのだが‥‥。