元日本代表FBの五郎丸歩が前半36分に負傷退場した(トップリーグ第6節)。帰国後しばらくはパッとしなかったが、途中退場したということはヤマハ発動機に帰還して“戦力”になったのだろう。
「人気選手の復活は、来年開催のラグビーワールドカップ日本大会を盛り上げるきっかけにもなります」(体協詰め記者)
そのラグビーW杯チケットの販売状況において、奇妙な傾向がみられるという。
「先行販売されたぶんはほぼ完売。主催国として割り当てられた全試合の50%は捌ききれる見通しです」(前出・体協詰め記者)
しかし、完売までの「あと一押し」が難しそうなのだ。北海道を除いてだが、W杯チケットが売れているのは東京と東北。中部地区と九州はほとんど売れていない(10月時点)。関西地区では対戦カードでばらつきが出ていて、完全な「東勢西衰」状態になっている。
「九州はラグビー人気が高い地域なんですが、『やる』という意識はあるものの、『観る』のイメージは浸透していない」(地元紙記者)
ヤマハ発動機の本拠地は静岡県磐田市。チケットが伸び悩んでいる中部地区だ。五郎丸は海外リーグに挑戦し、活躍できなかったので忘れられてしまった感も否めない。ラグビーW杯は独自のルールにより、主催国がすべての赤字を被る。その補てんは税金だ。今回の途中退場は右肩脱臼によるもので、離脱が長期化すれば、完全に忘れられてしまう。赤字を免れるためにも元人気選手には活躍してもらいたいのだが…。
(スポーツライター・飯山満)