ラグビーに興味のない人たちにとってはすっかり“あの人はいま”状態となっているラグビー日本代表の五郎丸歩。一昨年のワールドカップ後、アスリートとして近年稀に見る社会現象となった「五郎丸ポーズ」だったが、その後は主戦場を海外に移したこともあり、日本人があのポーズを見る機会はほとんどなくなっている。
「昨年2月からはスーパーラグビーのレッズ(豪州)に移籍。ところが、日本から参戦した5月のサンウルブズ戦で不用意なタックルを試みて肩を負傷。6月に出場するはずだった日本代表戦もアウトとなり、さらに直後にフランスリーグのRCトゥーロンへの移籍が決まるなど、日本ラグビー界から遠ざかっていきました。しかも、レッズでもトゥーロンでも出場機会にはあまり恵まれていない。たまに出ても蹴らせてもらえない。ラグビーファンの間でも“過去の人”となりつつありますね」(スポーツサイト記者)
ところがどっこい、先日発表された「世界のラグビー選手の年収ランキング」で、15年ワールドカップでニュージーランド代表(オールブラックス)を優勝に導いた司令塔、ダン・カーターと並んで、五郎丸が1位タイにランキングされたから驚きだ。
「サッカーでいえば、メッシやロナウドと本田圭佑が1位タイにランクされたと想像してください。金額は167万ユーロ(約2億200万円)。野球やサッカーやテニスなど、何十億円が飛び交う世界に慣れていると『たったそれだけか』と思う人もいるかもしれませんが、ラグビーで1億円プレイヤーは世界のひと握り。ましてや日本人ではこれまで皆無だったことを考えれば、五郎丸ポーズは金の成るポーズでしたね」(スポーツ専門誌記者)
この報道に最も驚いているのは熱烈なラグビーファン。「オールブラックスのスターと同じなのはおかしい」「フランスリーグがリッチとはいえ、試合出てない五郎丸が1人勝ちとは‥‥」「もう単なるCMタレントだろ」と、昨年からのふがいないプレーも相まって手厳しい声がネットなどでも書き込まれている。
「実際、いま日本に戻ってきても実力的に代表に選ばれるかどうかボーダーラインと言われています。プラスになるとしたら集客力だけと揶揄されていますから、ラガーマン五郎丸としては年収1位でバンザイできる状況にはないと思いますよ」(前出・スポーツサイト記者)
とはいえ、日本人が世界的にはメジャーとも言えるスポーツで1位の稼ぎ。青少年に少なからず夢を与えたのは間違いないはずだ。
(佐々木たける)