落語家の立川志らくが10月21日放送の「八方・陣内・方正の黄金列伝」(読売テレビ)に出演し、バラエティー番組で活躍する現在の自身の“辛口キャラ”が人気お笑いコンビのダウンタウンによって作られたものであることを告白している。
言いたい放題の物言いの性分がウケ、情報番組のコメンテーターを筆頭に様々な分野で異才と“毒”を発信している立川志らくだが、当初はテレビ番組やバラエティタレントを見下していたとも明かし、「『笑点』(日本テレビ系)もバカにしまくってた」と振り返るも、いざバラエティの仕事に取り組むとその印象は180度変わり、「(出演者が)命がけでおもしろいことをぶつけてくる。台本もないのに。それに気付いた時、この人たちスゲー、即興の大喜利やってるって思った」と語っている。
また、とある番組出演時に“態度のふてぶてしさ”が原因で炎上したことがあり、その失敗経験が物言いキャラとしての活動の足かせとなっていたとも回想すると、そんな自分を救ってくれたのがダウンタウンだったという。
「ダウンタウンの番組に出て、私が毒を吐いたら、あの2人が全部ギャグに変えてくれた。そしたら見てる人が“こいつおもしれぇな”ってなって、いろんな番組に引っ張られた」と明かし、現在の毒吐きキャラが誕生する経緯を説明した。
「立川志らくのように辛口なコメントが暴走した際、それを制止したり、おもしろく噛み砕いてくれるツッコミの役が必要になりますが、長年にわたって言葉の芸を鍛え上げてきた落語家に絶妙なツッコミを放つことのできる芸人はそう多くは存在しないでしょう。キワモノから大御所まで様々な超個性派を扱ってきたダウンタウンだからこそできた芸当ですね。彼らは立川以外にも歌手の西川貴教や俳優の東幹久といったタレントにバラエティの道しるべを提供し、女優の泉ピン子といった扱いが困難に思える大御所ともうまく絡んできました。普段はボケの松本も大勢が集うバラエティではツッコミに回る器用さがあり、どつきの浜田と言葉遊びの松本という2つのアングルからゲストの潜在的なおもしろさをえぐり出す能力に長けています」(テレビ誌ライター)
不貞騒動で世間からのバッシングを浴びていたタレントのベッキーや俳優の袴田吉彦らが、ダウンタウンの番組に出演したことをキッカケに新たな魅力を作り上げることができたのも決して偶然ではない。
放置すれば“変わり者”だが、一言のツッコミを施すことでたちまち“人気者”に変わる。どうやら情報番組をにぎわす立川志らくもそんなダウンタウンの魔法によって誕生した彼らの“作品”のひとつだったようだ。
(木村慎吾)