歴代ダウンロード1位を記録、メディアに大量露出せずとも完全に国民的Jポップとして揺るぎない認知度を獲得していると言えば、学生、OL、主婦も巻き込み、日本中の全女子が聴いてカラオケで歌っている米津玄師の「Lemon」。その人気は、SMAPの「世界に一つだけの花」を超えるのも時間の問題だとか。
「米津玄師を聴いたことがない、あまりよく知らないのは中高年の洋楽オヤジ世代ぐらいかもしれません。安易に英語のフレーズを使わない歌詞は、いろんな人にダイレクトで届きますし、メロディも天才的コンポーザーとは言いきれませんが、流麗で聴きやすいですね。アップ系のEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)が巷にあふれている今、米津の“歌”にシフトする人たちが多いのも不思議ではないですね。テレビ出演しない、テレビで映像が流れることも少ない。だから、中高年男性にはそこまで売れている実感がないのだと思いますが、その“安売り”しない戦略もうまくいっているんでしょう。先日、2日間で4万人を集めた幕張ライブでも、クラスの半数以上が応募して1枚も当選しなかったという女子高校生の報告があるほど。このように一世を風靡している人気の証拠に、超有名ユーチューバーのHIKAKIN(ヒカキン)の動画再生数を米津はたった2本の動画で抜いてしまったことがかなり話題ですね」(女性誌ライター)
もともと、ネット投稿動画から存在を知られたアーティストだが、それでも人気ユーチューバーたちが数多くの動画本数で再生上位を占める中で、次元の違う快挙なのだとか。
「1人のファンが何度も見るという効果はあるかと思いますが、CDも数十万枚売れ、ダウンロードも抜きん出ている中で、動画まで再生されまくるのは本当にスゴい。下世話な人たちは“いったい米津はいくら稼いでいるのか”と、アンチも交えて大激論となっています」(エンタメ誌ライター)
ネット上では「人気ユーチューバーを抜いたら動画だけで億単位稼いでるはず」「ソニーぼろ儲け!」「動画投稿からここまでのし上がるなんて夢がある」「努力の結果だから、いくら稼いでもいいだろ!」などの激論(?)から、「音楽動画の場合はレコード会社にも権利があるはず」「9割がレコード会社だと聞いた」など、事情通の声なども。
「実は米津のMVは広告が付いていないことでも有名で、その部分でもお金目的というイメージはありません。それでも今後、米津のもっとも大きな収入源となるのはカラオケ印税でしょう。ここまで歌われたら、それだけで年間数億円はくだらない。メディアでは紅白出場が待望されていますが、別にテレビに出なくても困らないから口説くほうは大変でしょうね。そして、動画はあくまで収入目的ではなく、テレビに出ない彼ならではの最強のプロモーションアイテムと考えるのがいいのではないでしょうか」(前出・エンタメ誌ライター)
今後はツアーに力を入れるという宣言もあり、来年1月から出身地の徳島県を皮切りにスタートする全国8箇所のアリーナツアーのチケット争奪戦もし烈を極めているとか。好き嫌いは人それぞれでも、いろんな意味で今、Jポップ界のトップに君臨しているのは米津玄師。そう言いきれるほどの存在かも。
(塚田ちひろ)