著名ユーチューバーを数多く抱える業界最大手プロダクションであるUUUMの成長に「かげり」が出始めていると話題だ。
日刊ゲンダイDIGITALは2月13日、「UUUMは成長にかげり 動画配信にマネジメントは必要か」と題した記事を配信し、トップクラスの人気を誇るHIKAKINやはじめしゃちょー、フィッシャーズといった大物を擁するUUUMの株価が昨年末から「下落傾向にある」とし、その理由として所属ユーチューバーのアップする動画の再生回数の伸び鈍化や、1再生あたりの単価が落ち込んでいることなどを挙げた。
同プロダクションの売り上げの半分以上はアドセンス収入と呼ばれる広告収入であり、新たな支柱として企業とのタイアップで得られる収入やイベント収入のさらなる増益を目指しているものの、「アドセンス広告並みの収入源にはほど遠い」とその厳しい現状を綴っている。
では、そもそもUUUMが誇るトップユーチューバーたちの動画が“伸びづらく”なってしまった原因はどこにあるのだろうか。
「HIKAKINや、はじめしゃちょーなど、現在のUUUMでその看板を担う面々はYouTubeが流行する以前からユーチューバーとして“毎日投稿”を心がけてきましたが、過労が故に、2017年の8月中旬にアップした『ぼくたち、休みます』と題した動画の中で、HIKAKINとはじめしゃちょー、フィッシャーズのシルクロードの3名は毎日投稿をあきらめると宣言。現在では1週間に1~2本程度の更新となっています。しかし、HIKAKINに至っては2006年から古参チャンネルを開設しており、複数チャンネルの累計登録者数は1000万人を超え、その過去動画数も膨大な数に上るため、仮に数週間更新をせずとも、とてつもない広告収入が毎月振り込まれることになります。つまり、週に2本ほどの更新頻度であっても、毎日のように大量の過去動画が再生されるため、彼らにとっては“十分すぎる収入”なのでしょうが、所属クリエイターによる広告収入を頼りにしているUUUMからすれば、全体として見た場合に、少なくないダメージを被ってしまいます」(テレビ誌ライター)
UUUMの中でも駆け出しのユーチューバーや、HIKAKINらを追い抜け追い越せと奮闘する中堅らは現在も“毎日投稿”を続けている例もありますが、2017年にアップした「ぼくたち、休みます」の動画はUUUMの“三大稼ぎ頭”が一斉に宣言したことから、その影響力は絶大だったと言わざるを得ない。
とりわけ、HIKAKINやはじめしゃちょーといったトップクラス級であれば、1本の動画で得られる広告収益は数百万円に達するケースもあり、これを毎日投稿するのと、週に2本投稿するのとでは、UUUMにとっては大きな差が出てしまうことは明白である。
UUUMの看板クリエイターであり、同社の大株主でもあるHIKAKINは今回の株価下落によって数億円レベルの資産損失があったとされているが、その間接的な要因をもたらしたのは他でもなく、HIKAKIN自身の方針転換にあったのかもしれない。
(木村慎吾)