今ではバラエティ番組に欠かせないお笑いタレントとなったオードリー。今年は「M-1グランプリ 2008」の準優勝を機にブレイクして、ちょうど10年にあたる。当時は春日俊彰のパーソナリティが注目されたが、今では“じゃないほう芸人”だった若林正恭が逆転。今年は、5月に出版した「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」が斎藤茂太賞を受賞して、エッセイストとしても活躍した。
2人は、中高一貫の私立学校で出会い、コンビを結成。最初のコンビ「ナイスミドル」からオードリーに改名したおよそ8年後にブレイクした。売れない時代は、金策の毎日に疲弊して、芸人廃業を考える日々。それを踏みとどまらせたのは、ある先輩芸人の存在だとエンタメ誌のライターは言う。
「2人を救ったのは事務所の先輩・Hi-Hiです。『THE MANZAI 2011』の決勝戦で、ボケの上田浩二郎が相方の岩崎一則に放った『お前の18年間を放り込んでこい!』というアドリブや、ネタの決め台詞『パスタ、巻いてる?』がプチブレイクした2人。この4人は10年ごろ、原宿の有名クレープ店・マリオンクレープでアルバイトをしていた仲間なんです。とても仲が良かったそうです」
オードリーが売れる前年には、原宿の路上で「(午後)5時からライブやりま~す」と呼びこんだことがある。しかし、訪れた客は5人ほど。ステージに立つ芸人の数が上回った。度胸を養うため、竹下通りで路上漫才をしたこともあるという。
「今では格差が生じていますが、オードリーはHi-Hiを尊敬しています。それは、2人の波乱万丈すぎる過去にあるからでしょう。上田は、芸人デビューが吉本興業でしたが、リストラされて引退。トラックの運転手をしながら、バンド活動をしましたが、夢をあきらめきれずにふたたび芸人の道に戻ってきました。岩崎はファンと結婚しましたが、彼女は岩崎の携帯電話を内緒で操作して、事務所の先輩・原口まさあきの番号をゲットして、合コンをしようとした“やらかし系”。すでに離婚しています」(前出・エンタメ誌ライター)
その元妻は離婚を切りだされた際、ギャラを自分の口座に振り込むよう、事務所へ根回ししたという。ちなみに離婚後の岩崎は、SNSのmixiで出会った女性と交際した。
そもそも岩崎はズボラな性格。極貧時代は、上田の両親が経営するアパート・上田荘に住んでいたが、4年も家賃を滞納。150万円も借金していた(すでに返済)。汚部屋だったため、某番組の企画で掃除された時は、大腸菌が検出されている。
そんなHi-Hi、最近はめっきりテレビで観なくなった。しかし、10月6日に生放送された「オールスター後夜祭’18秋」(TBS系)で解散ドッキリを仕掛けられて、久々に地上波で元気な姿をお茶の間に届けていたものだ。
オードリーがそろって心を開く数少ないコンビ、Hi-Hi。腕は確かなだけに、ネタ番組からもお呼びがかかってほしいものである。
(北村ともこ)