スポーツ

引退・松井秀喜(3)「イチロー派から乗り換え」

 松井の「将来設計」をヨソに、古巣巨人は即座に「囲い込み」に動いた。引退会見を受けて、白石オーナーが

「将来、巨人軍のユニホームを着てチームを指揮したいということであれば、ありがたい。もろ手をあげて歓迎したい」とラブコールを送ったのだ。

 さらに年が明けてからも、渡辺会長が次期監督の最有力候補に指名。いわく、

「原君のあとすぐっていうのがいないんだよ。原君はまだやるけど、そのあとは松井君が最適だよね。まずは(原監督の下で)ヘッドコーチなんかをやって。(松井が)帰ってきたら会うから。会って頼む」

 球団の最高権力者じきじきの「監督手形」なのである。いや、これだけではない。その翌日には原沢敦球団代表兼GMが、巨人と提携するヤンキースへのコーチ留学を支援する考えまで表明したのだった。

 だが、これらは全て、松井の意向を無視した巨人サイドの一方的な復帰要請。巨人担当記者が苦笑する。

「読売グループが先手を打って外堀を埋める作業ですよ。万一、日本に戻ってきて、他球団のユニホームを着られようものなら、メンツは丸潰れ。しかしまぁ、あまりにもやり方がいやらしいですよねぇ。だって昨年夏の時点では、渡辺会長は完全にイチロー派だったわけですから」

 確かに、出演したラジオ番組で、「松井とイチローなら、指導者として迎えるならイチローだ。非常に頭のいい男。彼ほどの人物は野球界にそうはいない」とベタボメだったはずだが‥‥。

 松井が引退するや、コロッと態度を変えた都合のいい渡辺会長だが、松井との「確執」がまだ解けていないのをお忘れのようだ。前出・巨人担当記者は回想する。

「02年に松井がFA権を行使する際、渡辺会長は『残ってくれるにはいくら払えばいいんだ』『いくら欲しいんだ』と、札束でほっぺたを叩くような『金さえ払えば残るだろう』という態度に、松井はカチンときたんです。膝への負担を減らすため東京ドームを天然芝にしてほしいと訴えるなど、金銭面を問題にしたわけではなかったのに。ユニホームのロゴが『TOKYO』から『YOMIURI』になったことにも『企業スポーツは今、地域密着の時代に入っている。それに逆行し、ファンを無視するようなやり方は納得できない』と不満を訴えた松井に、渡辺会長が激怒したこともあった」

 そうした「対立」が巨人を離れてメジャー移籍するきっかけとなり、渡辺会長も「巨人からFAで出て行ったヤツは許さん」と漏らすほど険悪だったのだ。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論