アメリカですらこの徹底警戒モード。常にマスコミが監視する日本で暮らせるわけがないのは明らかだ。
「今は夫人が妊娠中の姿をマスコミに目撃されるかもしれない、という不安がある。子供が生まれたら、今度はそのプライバシーも隠さなくてはならない。だから今はとてもピリピリしています。どうやら今後はニューヨークの自宅だけでなく、米国内に複数の拠点を持ち、その場所を伏せながらあちこちで生活する意向のようです」(前出・ジャーナリスト)
こうした生活を送りつつ、引退後の松井はどんな仕事に就くというのか。現地マスコミ関係者はこう言って松井の胸中を代弁するのだ。
「少なくとも、今年1年は何もやらない。野球からも離れます。日本のテレビ局からは解説者のオファーも非公式に届きましたが、受けるつもりはまったくありません。夫人のヘルプに徹して、子育てサポートに専念するつもりです。いわゆる“主夫”ですよ。奥さんは一歩も外に出ず、松井がスーパーで買い物をする姿、紙オムツを持って帰る姿が見られるかもしれません」
職業を聞かれれば「元プロ野球選手」あるいは「無職」ということになるのだろう。
サポートが一段落した時点で、松井にはやりたいことがあるという。高校を卒業して以来、野球しかやっていないため、旅行をするなどしてゆっくりと見聞を広げたいのだ。スポーツ紙デスクが言う。
「エンゼルス時代、ソーシア監督(当時)はミーティングで野球と関係のない話をよくしました。『野球だけでなく、社会のことにも関心を持ちなさい』という意味です。そうした下地も影響していますね」
もう一つは、アメリカで語学学校などに通う学生になること。
「松井は聞く分には英語を理解できますが、話すほうは相変わらずうまくない。10年もアメリカにいて、ペラペラしゃべることができないことがコンプレックスになっていて、『英語をホントにちゃんと勉強したい』とボヤいていました」(前出・現地マスコミ関係者)
メジャー挑戦する際、中学2年生の英語教科書「ニューホライズン」を持参したという松井らしい希望である。
となれば、アメリカ人並みに英語を身につけた暁には、メジャー球団で指導者となる可能性もあろう。前出・デスクによれば、
「通訳を連れて指導者にはなれませんからね。ヤンキースでは将来、大スターで親友のジーターが監督をやるでしょう。その場合、松井を打撃コーチとして呼ぶ可能性が高い。それまでに備えておきたい気持ちもあるのではないでしょうか」
なるほど、グリーンカード(米永住権)を取ろうとしている、との話があるのもうなずけるのだ。