首位から29.5ゲーム離されての最下位に終わった楽天からも、捕手・嶋基宏(33)=年俸1億円=、外野手・ペゲーロ(31)の2人がワーストナイン入りした。
出場試合数こそ正捕手にふさわしい113試合だった嶋だが、度重なる故障にも悩まされ、打率2割6厘、0本塁打、21打点と低迷。1安打あたり単価は153万円だった。
「単価だけなら西武の銀ちゃん(炭谷銀仁朗)のほうが高いけど、若手の森友哉を使っていくというチーム方針から出番が限られ、かわいそうな面もあった。その点では、100試合以上出てこの打率の嶋がワーストでしょう」(伊原氏)
リーグ優勝を果たした西武から、ただ一人ワーストナイン入りしたのが指名打者のメヒア(32)。82試合出場で打率2割1分2厘、9本塁打、21打点、1安打あたり単価はパ・リーグ野手ワーストの1111万円。新本塁打王・山川穂高の台頭で完全に居場所を失い、「5億円の代打」という不良債権に成り下がった。伊原氏が苦笑する。
「山川がいるからもういらないんだけど、3年契約の最後となる来季も残ることになりました。西武は契約途中で解雇してカネだけ払うという球団じゃないですからね」
オリックスのT-岡田(30)=年俸1億2000万円=も不本意なシーズンだった。昨季は全試合に出場して31本塁打を放ったが、今季は右脇腹痛に悩まされ、97試合、打率2割2分5厘、13本塁打、43打点にとどまった。1安打あたりの単価は179万円。単価だけなら同僚のロメロ(30)=273万円=のほうが高いが、これは年俸に1億6000万円の差があったため。生え抜きのチームリーダーとしての期待に応えられなかった点を考えれば、ワーストナインも当然か。
ちなみに、年俸3億円弱のロメロもセの筒香同様、規定打席到達者で得点圏凡打率がなんと8割と、ワーストを記録している。
最後に監督にも触れておこう。今オフは両リーグで5人の監督が球団を去った。いずれも成績不振を問われてのことだが、はたして誰がワーストなのか。
「強いて選ぶとしたら、阪神・金本知憲監督(50)かな。若手の起用による改革をやや急ぎすぎましたね。既存のチームを脱却させるには時間がかかる。それをいきなりやろうとすれば反発が起きるのですが、金本監督は耳を貸さずに『俺がやっていることは正しいんだ』と強引に推し進めてしまった」(伊原氏)
その金本監督の右腕だった矢野2軍監督が、来季から阪神の指揮を執る。金本流を踏襲するのか、それとも新たなスタイルを確立するのか。虎ファンならずとも、目の離せないシーズンになりそうだ。