ソフトバンクの日本シリーズ連覇で幕を閉じた今年のプロ野球。各球団が補強に向けて動き出しているが、忘れてはいけないのが恒例「ワーストナイン」の表彰式だ。グラウンド内外のデータを解析して、給料ドロボーやリストラ候補をリストアップ。奮起を促しつつ、不名誉な記録とともに発表しよう。
アサ芸が選ぶワーストナインのコンセプトは「高い年俸をもらっているのに働かなかった選手」。したがって、投手は1勝、1H(ホールド)、1S(セーブ)、野手は各ポジションで1安打あたりの単価が最も高い選手を選ぶことを基本にしている。
ただし、例外もある。例えば、フル出場ではなく限定的な出番での活躍を求められるベテラン選手などは必然的に単価が高くなる。また、セ・リーグの遊撃手のように年俸の低い選手が集中するポジションでは、高年俸の巨人・坂本勇人の単価が極端に目立つことになる。こうしたケースでは冒頭の原則を杓子定規に当てはめず、元西武・オリックス監督で評論家の伊原春樹氏の意見を加味して選んだ。この点を押さえたうえで、具体的な顔ぶれを見ていこう。
セ・リーグでは、18年ぶりの最下位に終わった阪神から、救援投手部門のマテオ(34)、一塁手・ロサリオ(29)、三塁手・鳥谷敬(37)の3人が名を連ねた。
昨季の最優秀中継ぎ投手に輝いたマテオだが、今季は不振にあえいだ。最終成績は0勝1敗4H、防御率6.75。1Hあたりの単価は破格の4750万円だった。
“Vの使者”として期待されたロサリオも、75試合の出場にとどまり、打率2割4分2厘、8本塁打、40打点。1安打あたりの単価が500万円とあっては、4番失格と言われてもしかたないだろう。
「11月1日に自由契約となりましたが、当初は残留の可能性もあったんです。物色中の新外国人選手の獲得にメドがついたようなのでクビに踏み切りましたが、矢野新体制に“負の遺産”を引き継がずにすんでよかったですよ」(スポーツ紙阪神番記者)
伊原氏も、阪神の外国人補強のズサンさに疑問を呈する。
「前西武監督で現在チームアドバイザーの田辺徳雄が、昨春のキャンプでロサリオが所属していたハンファ・イーグルス(韓国)の臨時コーチを務めたんです。昨オフにロサリオの阪神入りが決まった時、田辺の評価を聞いたら『ツボに来れば大きいのを打つけど、外角にスライダーを投げられたらまったくダメですよ』と言っていましたが、そのとおりでしたね」
鳥谷もシーズンを通じて不振だった。打率2割3分2厘で1安打あたり単価は784万円。
「チーム内からは『足が動かなくなって守備・走塁にかげりが見える』という指摘が出ています」(阪神番記者)
だが、伊原氏は少し違った見方をする。
「二塁、三塁とたらい回しにされたり、スタメンか途中出場かが日によって変わる不規則な起用法の犠牲になった部分もある。金本知憲監督が辞めたので、喜んでいるんじゃないですか(笑)。動きはそれほど落ちているとは思えないので、まだまだやれるはずですよ」