ワーストシーズンに加えてチームを揺るがした主力打者、4番を奪われた二冠王、“神様”の成績にテンションを落とした優勝チームのリーダーなど、主力選手の不甲斐なさが目についた内野陣を表彰する。
セのWVPに輝いたのは巨人の坂本勇人(33)だ。通算2200安打を達成した今季は、83試合の出場で87安打、打率2割8分6厘。1安打あたり700万円の自己ワーストシーズンとなった。ちなみに坂本が全休した5月、巨人は1勝7敗と負けが込んでしまった。
「巨人の中で突出した存在になったためか、プレーに危機感が感じられない。坂本の立場を脅かす選手も現れていない」
愛甲氏がこう切り込むとおり、悪く言えば「仕事に慣れた立場が上の管理職」という雰囲気すら感じさせる。
おまけにシーズン終盤には“中絶スキャンダル”が露呈。不振に陥らなかったのはさすがだが、
「独身だとしても内容がいけない。バカモン!」
と伊原氏も活を入れる。
セのサードは巨人の岡本和真(26)。昨年2年連続の二冠王に輝いたが、今季30本塁打をマークしたものの打率2割5分2厘、打点82と成績を落とし、4番の座を中田翔(33)に奪われる始末。三冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆(22)との落差は広がるばかりだ。
「ガッツが足りなさすぎる。巨人の主軸が2割5分ではいかん」と伊原氏が檄を飛ばせば、「中田翔が入団してから成績が下降したよね。ライバル選手の成績がよくなると、成績を落とす選手もいる」と愛甲氏は自身の体験を振り返った。
その中田について愛甲氏は「昭和のニオイを感じさせる選手で、悪く言えばオラオラ系。令和の選手を萎縮させているかもね」と想像する。
満塁時成績が10打数ノーヒットの中日クリーンナップ・阿部寿樹(32)は、得点圏打率2割6分0厘だ。
「セカンドから外野にコンバートされた点は加味してあげたい」
そう語る伊原氏は、中日最下位の要因に捕手の木下拓哉(30)を挙げて叱咤激励する。
「肩もよく、谷繁(元信=51)以来のレギュラー捕手になったかな、と思いきや打率2割4分で6本塁打と伸び悩んでいる。ステップアップの時期なのに、チャンスで打てない」
キャッチャーでは、広島の會澤翼(34)がランクイン。通算盗塁阻止率は昨季まで2割7分7厘だったが、今季は1割8分0厘。これはヤクルト中村悠平(30)=3割7分0厘=の半分にも満たない数字だ。
「投手との連携もあるけど、セの捕手陣の中では打撃も冴えないね」(伊原氏)
助っ人ではDeNAのソト(33)と巨人のポランコ(31)が選ばれた。
前者は2年連続ホームラン王に輝いたこともあったが、今季は17本で終了。
「本塁打数が年々激減しており、年俸2.6億円には見合いません」(伊原氏)
後者は規定打席到達者の中で最低打率、おまけに肩も弱い。
「助っ人としてはまるでダメだね」(愛甲氏)
2人とも来季、日本にいるだろうか‥‥。