次はワーストリリーフ投手だ。セは阪神のアルカンタラ(29)に決定。年俸2億2000万円の助っ人は、昨季3勝3敗6H。そして今季は1勝3敗17Hとホールド数こそ伸ばしたが、防御率は3.49から4.70へと急降下した。江本氏はこう指摘する。
「リリーフの基本はボールが速いことだけど、そこにコントロールが追いつかない」
パはロッテの益田直也(32)。プロ11年で通算30勝43敗182S&153Hの名リリーフだが、過去3年、2点台前半だった防御率が3.29と急落した。
「クローザーが3点台では話にならない。1点台、最悪でも2点台前半でなければいけない」(江本氏)
ロッテがBクラスに低迷した要因の一つだろう。
次に被本塁打王。江本氏は「投球回数が多いほど被本塁打も多くなるのは当然」とした上で、広島・大瀬良大地(31)の135イニング18本と、楽天・早川隆久(24)の107イニング19本を「話にならない!」と切り捨てる。南海時代の江本氏は74年に19本塁打を浴びたが、投球回数は216イニングだった。
「ボールが速いと本塁打を打たれやすくなるのは、ピッチャーの宿命です。勝ち星や防御率がよければまだしも、2人とも成績が追いついていません。先発が防御率3.5以上だとチームはしんどい」
プロ2年目の早川は、9勝7敗から5勝9敗へ急降下。ベテランの大瀬良は8勝(9敗)を挙げたものの、防御率4.72は自身のワースト。来季はひと踏ん張りしてほしいものだ。
両リーグの与四球王、セが広島の九里亜蓮(31)=53個、パはソフトバンクの石川柊太(30)=57個もイニング数と関係がある。久里は140回で石川は136回。江本氏が78個で与四球王となった75年は207回だった。
「昨季より投球回数が増えた戸郷が58個から51個に減らして12勝をマークした。四球を減らすと成績が上がるのは当然」(江本氏)
最後は最多被安打。田中将大の160安打を大きく上回る195安打を浴びたのが広島の森下暢仁(25)。今季3年目だが、年々打たれやすくなっている。
9月29日のヤクルト戦、3回1死三塁の場面でスクイズがファウルになった石川雅規(42)=今季20打数2安打=に四球を許し、1点差でCS進出を逃した。
「精神的に弱すぎる」と愛甲氏が切り捨てるのも当然だろう。